17

青森県青森市mizuiro株式会社


青森支社お客さまアドバイザー

親子のつながりを深める
あたたかな時間をつくりたい。

2023年の創業100周年に向け、「THE MUTUAL(ザ・ミューチュアル)-次代の"相互扶助"を考える-」というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいます。「THE MUTUAL」とは共感・つながり・支えあいをベースとした、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のことです。

100周年プロジェクトの取組み「THE MUTUAL Art for children」では、「すまいる・ぎゃらりー(※)」の作品をデザインとして活用し、その想いを発信することで、子どもたちと社会がつながるお手伝いをしています。その取組みのひとつとして、2021年5月に、子どもたちの作品をパッケージのデザインに使用した「おやさいクレヨン」を製作しました。
「おやさいクレヨン」とは、お米と野菜が原材料のクレヨン。青森を拠点に活動されているmizuiro株式会社の製品です。同社は、親子が一緒に過ごす時間を豊かにしたいという想いから、あたたかみのある遊び道具を生み出しています。

今回青森支社では、地域の保育園に「おやさいクレヨン」を寄贈するとともに、子どもたちに「おやさいクレヨン」で絵を描いてもらいました。そして、集まった192枚の絵を、長島地下歩道(青森支社へとつながる地下歩道)に「THE MUTUAL GALLERY」として2021年12月8日から27日まで展示しました。
この取組みにご協力をいただいたmizuiro株式会社の代表取締役である木村尚子さんに、子どもたちの絵を見ていただきながら、「おやさいクレヨン」をはじめとした製品に込められた想いや、同社の取組みについてお話を伺いました。

(※)すまいる・ぎゃらりー
障がいのある子どもたちのアート制作を応援する活動として、内幸町本社ビル地下 2階の壁面に全国の特別支援学校生徒の美術作品を展示する企画。2012 年度より開催。

image

限りある「親子の時間」を、
豊かにしたい。

お客さまアドバイザー(以下、お客さまAD) 木村さんは、2012年に会社を立ち上げられてから、「親子の時間をデザインする」という理念のもと、さまざまな製品を手掛けられています。会社を立ち上げられた経緯や、理念への想いを教えてください。

木村さん(以下、木村) 「親子の時間をデザインする」という理念には、わたし自身の経験から生まれた想いが込められています。会社を立ち上げる以前は広告代理店に勤めていたのですが、シングルマザーという生き方を選んでから、子育てと仕事の両立に日々悩んでいました。その後、デザイナーとして独立。自宅で仕事をするようになりましたが、忙しい日々が続き、子どもと過ごす時間を思うようにとれませんでした。
子どもがひとりで遊んでいても安心できる遊び道具をつくりたい。そんな想いから、口に入れても安全な「おやさいクレヨン」のアイデアが浮かびました。親子の時間をデザインする製品づくりのはじまりでした。

お客さまAD 今まで手掛けられてきた製品は「おやさいクレヨン」をはじめ、「ぬりえちよがみ」や「おやさいカルタ」など、手で触れて遊ぶものが多いですよね。アナログな遊びを大切にされている印象を受けました。

木村 デジタル化が進む時代ですが、アナログな遊びはなくならないと思っています。さまざまな感性を使って楽しめるのが、アナログな遊びの醍醐味です。手先を動かすことで脳は活性化します。また「おやさいクレヨン」からは、原材料となっている野菜の香りがほのかにします。クレヨンや紙に触れながら絵を描き、その絵を五感で楽しむ。そんなアナログな遊びの魅力を引き出し、子どもたちがワクワクできる製品をこれからも開発していきたいです。

image
image

アナログな遊びを通して子どもの感性を引き出すmizuiro株式会社の製品。

あたたかな思い出が
世代を超えたつながりを生む。

お客さまAD 「おやさいクレヨン」は、米ぬかから採れた米油とライスワックスをベースに、収穫の際に捨てられてしまう野菜の外葉などを原材料にされています。また、使われている野菜の約8割を青森県産に限定されていて、地元への想いも感じました。

木村 「おやさいクレヨン」を使っていただくことをきっかけに、「もったいない」という気持ちが芽生えるといいな、と思っています。普段捨てられているものの中にも、まだ使えるものがあると気づいてほしいです。
また、青森県内で採れたものを使うことで、エネルギーの節約や物流コストの縮小につなげるだけでなく、青森県の豊かな農産物の魅力を発信したいという想いもありました。

お客さまAD コロナ禍で、人と人のつながりが希薄になったようにも感じます。木村さんが手がける製品は人と人のつながりを生み出し、心の豊かさを提供しているように感じています。

木村 わたしたちの製品が、人と人をつなぐ存在になれたらうれしいです。親子で一緒に遊んでもらうことで、その時間があたたかな思い出になることを願っています。過ごした時間のすべてを覚えていなくても、なんとなく「あんなことをしたな」という感覚や、そのとき感じたあたたかい気持ちは、子どもの心に断片的に残るものだと思います。そして、そのお子さんが親になったとき、そのあたたかさを思い出し、子どもにプレゼントしていただけたらとてもうれしいです。
長い年月がかかることですが、わたしたちの製品やサービスを通して、世代を超えた人のつながりをつくっていきたいです。

お客さまAD 素敵なつながりですね。他にも、今後の展望があればお聞かせください。

木村 今後は、47都道府県それぞれの「ご当地おやさいクレヨン」をつくりたいと考えています。今は、岐阜県大垣市の廃棄野菜を使用した「にしみのおやさいクレヨン」をつくっています。製品が完成したら、地元の企業さんとタイアップして、ぬりえイベントを開催する予定です。地域の子どもたちや、親御さんたちに会えることが今から楽しみです。
「ご当地おやさいクレヨン」をきっかけに、地域の人たちの交流を生み出していきたいです。

image

特別支援学校生徒の作品をパッケージのデザインに使用した「おやさいクレヨン」。
100周年プロジェクトの取組み「THE MUTUAL Art for children」のひとつとして製作しました。

子どもたちの描いた絵が、
人と街を明るく照らす。

お客さまAD 青森支社では、地域の保育園に「おやさいクレヨン」を寄贈するとともに、子どもたちに「おやさいクレヨン」で絵を描いてもらいました。そして、集まった絵を長島地下歩道(青森支社へとつながる地下歩道)に「THE MUTUAL GALLERY」として展示させていただきました。“人とのつながり”をテーマに、会いたい人や、家族や友だちとしたいこと、楽しかった思い出などを自由に描いてもらいました。
子どもたちの絵が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で元気をなくしている人や街を明るくしてくれたのでは、と感じています。実際に子どもたちの絵をご覧いただいて、木村さんはどのように思われましたか?

木村 前向きな気持ちや、希望が描かれた絵をたくさん拝見し、感動しました。全国の子どもたちに製品を届けたいという想いで一生懸命活動してきましたが、「おやさいクレヨン」で描かれた絵を見ていただく場づくりは、わたしたちの力だけではなかなか難しいことです。このような企画を実現してくださり、本当にありがとうございました。「おやさいクレヨン」で描かれた絵がたくさん飾られている光景を見ることができて、とても感慨深いです。mizuiroのスタッフにも、子どもたちの絵を早く見てもらいたいです。

image
image

青森支社へとつながる長島地下歩道に展示させていただいた子どもたちの絵を、木村さんにご覧いただきました。

みんな色が違っていい。
違いを尊重し、助け合うことが大切。

お客さまAD 木村さんは、仕事と子育てを両立されていますが、フコク生命にも働きながら子育てをしている職員が多く在籍しています。子どもと円滑にコミュニケーションをとるコツがあれば、ぜひ教えてください。

木村 正直なところ、参考になるようなことは申し上げられません(苦笑)。わたしの子どもは高校3年生になり、昔ほど手が掛からなくなってきましたが、今でも仕事と子育てを両立するための悩みは尽きません。お子さんが2人、3人といらっしゃる方のご苦労は計り知れません。

ひとつお伝えできるとしたら、一緒に過ごす時間の長さだけが、親子の絆を強くするわけではないということです。子どもは「親にしてもらえないこと」に目が向きがちで、さびしい思いをし、泣いたり、腹を立てたりするかもしれません。それでも、親が頑張る姿を見せていれば、自然と子どもに愛情の深さが伝わり、親子の絆を強くすると信じています。

お客さまAD ありがとうございます。では、最後の質問です。
これからの時代、心豊かに暮らしていくために、親子のつながりや、人と人のつながりにおいて、どういったことが大切だと思われますか? また、ご自身はどのようなことを大切にしたいとお考えですか。

木村 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、一人ひとりが「何が大切か」をより考えるようになったと思います。価値観が多様化していく中でも、大切なのは相手を思いやる気持ちや笑顔、そしてご縁を大切にする姿勢だと思います。

わたし自身、会社を立ち上げてから、人とのご縁に助けられてきました。「おやさいクレヨン」は、とあるクレヨン工場さんとの出会いがあり、かたちにできた製品です。もしかしたら一回限りの出会いとなっていたのかもしれませんが、わたしにとって未来につながる貴重な出会いとなったのです。一つひとつのご縁を、いつも大切にしたいと思っています。

人が、ひとりでできることには限りがあります。一人ひとりがやさしい心を持ち、「みんな色が違っていい」という考え方でお互いを尊重し、助け合える世の中になればいいなと思います。

青森支社

編集後記

青森支社 お客さまアドバイザー

「親子の時間をデザインする」という理念のもと、活動されてきた木村さん。その想いをかたちにされてきた行動力に、感銘を受けました。木村さんのお話を聞いて、「おやさいクレヨン」をたくさんの子どもたちに使ってほしいと改めて感じ、地域の子どもたちに寄贈するなど、フコク生命も微力ながらサポートさせていただいていることを光栄に思いました。
人との出会いから事業を発展させてこられた木村さんをお手本とし、「笑顔」と「ご縁を大切にする気持ち」を忘れずに、これからもお客さまとのつながりを深めていきたいと思います。

※マスクを着用していない写真は、撮影時のみ外して撮影しています。

▲