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新潟県株式会社 鈴木コーヒー


新潟支社

1人の100歩より、
100人の1歩が大きな力となる。

2023年の創業100周年に向け、「THE MUTUAL(ザ・ミューチュアル)-次代の"相互扶助"を考える-」というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいます。「THE MUTUAL」とは共感・つながり・支えあいをベースとした、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のことです。

今回、新潟支社のお客さまアドバイザーが訪れたのは、新潟市中央区に本社を構える株式会社 鈴木コーヒー。コーヒーや紅茶などの加工のほか、食品材料や食品機器類も手がけている会社です。新潟に根付いたオリジナル商品を数多く扱い、売上の一部を子どもの貧困問題に取り組む団体に寄付する「寄付つきコーヒー」など、SDGsの取組みにも力を入れられています。
1963年の創業以来、新潟を舞台にコーヒーを通じて、人々により豊かなLIFE STYLEを提供している鈴木コーヒー。3代目社長を務める佐藤俊輔さんに、同社の想いや取組みについてお話を伺いました。

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株式会社鈴木コーヒー 代表取締役社長佐藤俊輔さん。コーヒーを通じて、より豊かなLIFE STYLEを提供したいという 想いを熱く語ってくださいました。

「志」あるところに、
「人」が集う。

お客さまアドバイザー(以下、AD) まずは、鈴木コーヒーの歴史についてお聞かせください。

佐藤さん(以下、佐藤) 鈴木コーヒーは1963年に、中華食材の卸問屋に勤めていた祖父が創業しました。1960年にコーヒー豆の輸入が全面自由化されたことで、「これからは喫茶店が流行る」と感じ、創業したそうです。
「佐藤」なのになぜ「鈴木」なのかとよく聞かれますが、創業するにあたって東京にあった鈴木コーヒーという会社から様々なノウハウを教えていただいたことが社名の由来となっています。感謝の気持ちを込めて鈴木コーヒーとしたと聞いています。

AD 鈴木コーヒーに入社された当時のことをお聞かせください。

佐藤 大学卒業後に海外留学などを経て、家業と同業であるUCC上島珈琲に入社しました。営業職として3年ほど勤めた後、父親から「そろそろ帰ってこい」と連絡があり、新潟にUターンし鈴木コーヒーに入社しました。
入社当時は、会社をもっと大きくしたい、売上を伸ばしたいという思いが強く、東京のビジネススタイルを無理やり押し付けていました。UCC上島珈琲で営業職として結果を出していたので、わたし自身、天狗になっていたのだと思います。年上の社員だろうと構わず、あれこれ口出しをしていたわけです。その結果、入社一年目で早くも孤立してしまいました。組織のリーダーとして大いに反省し、わたし自身が変わる大きなきっかけになりました。

AD 鈴木コーヒーが販売されているコーヒーからは、新潟への愛情が感じられます。新潟に根付いたオリジナル商品を開発しようと思われたのはなぜでしょうか?

佐藤 鈴木コーヒーに入社したばかりの頃は、地域を盛り上げようという想いはありませんでしたし、新潟に根付いた商品をつくろうとも思っていませんでした。そのような中、新たなマーケットを開拓しようと飛び込み営業したお客さまから雪室(※)の話を聞きました。雪室の中に食材を寝かすと、不思議と味が良くなると。その時、雪室にコーヒー豆を寝かすことで美味しいコーヒーが作れるのではと思い、「雪室珈琲」を開発しました。
「雪室珈琲」を販売しようと動きはじめた頃、とある会社の社長から「こんな素晴らしいビジネスを1人でやることはない。地域のためにという志があるビジネスなのだから一緒にやろう」と言われました。そのことがきっかけで、儲けるためではなく新潟のためにと強く思うようになりました。すると、その志に共感してくれる人が増え、力を貸してくれる人が増え、「雪室珈琲」を中心に人のつながりが広がっていきました。現在では、「雪室珈琲」は全国で販売されるまでに成長しました。「雪室珈琲」に限らず「金山熟成 佐渡金銀山珈琲」や「長岡花火珈琲物語」も、新潟のためにという志から生まれたオリジナル商品です。志あるところに、自然と人が集うのだと思います。

※上越地域に伝わる、冬の間に降り積もった雪で山をつくり、藁などをつかって雪を囲い、夏まで貯蔵して活用する、「天然の冷蔵庫」とも呼ばれるもの。

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鈴木コーヒーが取り扱う新潟に根付いたオリジナル商品。

物を売るのではなく、
幸せを届けたい。

AD 鈴木コーヒーは「コーヒーを通じて、人々に豊かなLIFE STYLEを提供します。」をコーポレートメッセージに掲げられています。このメッセージには、どのような想いが込められているのでしょうか。

佐藤 わたしたちがとても大切にしている言葉です。想像してください。コーヒーはどのようなシーンに登場しますか。朝起きて気分を上げたいとき、恋人とカフェに行くとき、お昼にリラックスしたいとき。コーヒーは人がポジティブになりたいシーンに登場します。例えば夫婦喧嘩の最中にとりあえずコーヒーを飲もうとはなりませんし、ヤケ酒はあってもヤケコーヒーはありませんよね。「コーヒー=幸せ」であり、コーヒーは単なる飲み物ではなく幸せを届けるものだと思います。コーヒーを通じて、いかに多くの幸せなシーンを提供できるか、これがわたしたちのミッションであり想いです。

AD 確かにコーヒーを飲んでいる時を思い返すと幸せなシーンばかりです。鈴木コーヒーは幸せを届けられているのですね。

佐藤 鈴木コーヒーは創業以来、「コーヒーを基軸として食文化の発展の為に貢献し、活力あふれる豊かな社会の実現を目指す。」ことを経営理念として掲げています。わたしが社長になるにあたり「全従業員の個性と創造性を最大限に発揮して、私たちとお客様が物心両面において幸福を体感できる社会の実現を永続的に追求する。」ことを使命として加えました。これはわたし自身の過去の失敗への戒めでもあります。そして、「時代の変化に挑戦し、常に新しい価値の創造者であるように行動する。」ことを価値観としています。
わたしたちは「社会・地域を豊かにすること」「お客様と従業員が幸福であること」「変化に挑戦すること」、この3つを大切にし、コーヒーを通じて、人々により豊かなLIFE STYLEを提供しています。

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佐藤さんへのインタビューに参加した新潟支社の職員。左から、新倉支社長(新潟支社)、椎谷お客さまアドバイザー(新潟支社美咲営業所)、菊間所長 (新潟支社美咲営業所)。

多くの人に共感してもらい、
多くの人を巻き込むことが大切。

AD フコク生命は多くの子どもたちに絵を描く楽しさを知ってほしいとの想いから、地域の保育園や幼稚園を中心に「おやさいクレヨン」をお届けしています。このような活動をしている経緯もあり、SDGsの取組みとして鈴木コーヒーが実施されている「THREE PEACE PROJECT」に共感し「寄付つきコーヒー」を購入させていただきました。そもそも、なぜSDGsに取り組もうと思われたのでしょうか。

佐藤 わたしたちがSDGsに取り組みはじめたのは2018年です。今でこそ多くの企業や団体が取り組んでいますが、当時はそれほどSDGsの考え方は浸透していなかったと思います。そのような中、SDGsに率先して取り組んだのは、コーヒー豆は農作物であり、地球環境の破壊が進むとコーヒー豆を育てることができなくなるからです。コーヒーを提供する企業として、コーヒー豆が育つ環境を守っていかなければいけないと考えSDGsに取り組みはじめました。
わたしがSDGsの取組みを推進するにあたり大切にしているのが「1人の100歩よりも、100 人の 1歩」という考え方です。先ほどの「雪室珈琲」の話ではありませんが、1人の力はたかが知れています。いかに多くの人に共感してもらい、多くの人を巻き込んでいくかということが大切だと考えています。

AD 「THREE PEACE PROJECT」も、「1人の100歩よりも、100 人の 1歩」という考え方から生まれた取組みなのでしょうか。

佐藤 「THREE PEACE PROJECT」は、飲食店、カフェ、レストランなど様々なお客さまの力を集めることで、コーヒーを通じて世界の子どもたちを笑顔にしようという取組みです。
鈴木コーヒーが世界に一つしかないオリジナルブレンドのコーヒーをお客さまに提供し、その売上の一部を子どもの貧困問題に取り組んでいる団体に寄付しています。たとえSDGsのことを意識していなくても、コーヒーを販売した人、コーヒーを購入した人などコーヒーに関わる多くの人がSDGsの取組みに参加することができるという仕組みです。
今回、フコク生命にも世界に一つしかないオリジナルブレンドの「フコクコーヒー」を提供したことで、世界の子どもたちを笑顔にすることの力になっていただいているのです。

AD 「フコクコーヒー」の購入を通じて、子どもたちの力になることができて本当に良かったと思います。 SDGsに取り組もうと思っても、どう行動すればよいのか分からないという企業も多いのではないでしょうか。

佐藤 そうだと思います。大切なのは、想いとビジネスのバランスをしっかり取ることだと思います。SDGsだと言って、浜辺を掃除するだけではボランティアになってしまいます。SDGsの取組みをコストと捉える企業も多いと思いますが、わたしたちはSDGsを最高の経営戦略だと捉えています。

AD 「THE MUTUAL」のコンセプトには、人がいきいきと暮らしていくためには人のつながりこそが大切であり、そのつながりをつくっていきたいという想いが込められています。これからの時代、人と人のつながり方はどうあるべきでしょうか。

佐藤 コロナ禍で人と人のつながりが希薄化したように感じています。リモートワークが推進され、自宅にいる時間が長くなり人との交流が少なくなっています。だからこそ、わたしたちは人が集うことができる食の空間を守り続け、人と人のつながりをつくっていきたいと思っています。
「雪室珈琲」が多くの人に支えられて成長したように、1人の力ではなく多くの人が知恵を持ち寄り行動することで、より良い世の中になっていくのではないでしょうか。これからの時代、人がいきいきと暮らしていくためには、人と人のつながりは絶対に必要だと思います。

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世界に一つしかないオリジナルブレンドの「フコクコーヒー」。

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編集後記

新潟支社

新潟を舞台にコーヒーを通じて、人々により豊かなLIFE STYLEを提供しようと、様々なことに挑戦されている佐藤社長の姿に感銘を受けました。
そして、佐藤社長が大切にされている「1人の100歩より、100人の1歩」という考え方にとても共感しました。わたしたちが提供している生命保険は、みんなで助け合うという「相互扶助」で成り立っています。「ひとりは万人のために、万人はひとりのために」という、多くの人の思いやりで生命保険はかたちづくられています。佐藤社長のお話を伺いながら、生命保険という安心をお客さまに提供することで、人々のより豊かなLIFE STYLEに貢献したいと思いました。今後もお客さまをはじめ、地域の方とのつながりを大切にし、ともに歩んでいきたいと思います。

※マスクを着用していない写真は、撮影時のみ外して撮影しています。

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