全国47都道府県に62ある支社。その中で、名門の名をほしいままにしているのが富山支社だ。それは、半世紀以上にわたるトップレベルの業績が物語る。その礎を築いたのが、長年にわたり富⼭⽀社⻑を務めた悟道⼀英(ごどういちえい)だ。1936年に入社した悟道は営業職員として奮闘努力の末、1945年、富山支社長に就任。1975年まで富山支社の躍進に大きく貢献した。
40年に及ぶ富国生命人生を記した自伝『歩み続けた四拾年』に、富山支社の“ノウハウ”について、次のように書き記している。

image image

「富山支社の眼にみえぬ何らかのノウハウ」とは何か︖ 
⾔葉で書けば…「強い相互信頼」「敢闘精神」「確固たる信念」などと結語されるが、私が言いたいことは、そうした⾔葉のみではない。
汗を流して働くことを⼤切にしよう。体温が通じ合うような思いやり、⼼づかい、⽣活の智恵、⼯夫を⼤切にしよう。そのようなことを私は⾔いたかったのかもしれない。
私は⽣涯かけて、富国⽣命を、富国⽣命職員を愛し⼒いっぱい抱きしめてきたと信じている。親⼦以上に信じ合い、励ましあった。富⼭⽀社の皆さんの⽀えなくては 上位記録は維持することは出来なかったであろう。⼼から感謝している。

悟道が遺した言葉は、今も受け継がれているのか。フコク生命を代表する富山支社、その躍進に貢献してきた職員に、100周年プロジェクト社史外伝チーム(※)のメンバーが聞いた。富⼭⽀社のDNAを探る。

※ 100周年プロジェクト社史外伝チーム
2023年に創業100周年を迎える当社は、「THE MUTUAL」(ザ・ミューチュアル)というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいる。「THE MUTUAL」とは、共感・つながり・支えあいをベースとした、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のこと。社史外伝チームは、年表では読み取れない役職員の心情や熱意を深掘りし、その想いを語り継ぐべく記録として遺す。

ひたすらお客さまのために、
信頼される仕事をする。

image

悟道とは実際に仕事をしたことはないという明地千枝子(めうちちえこ)。だが、初めて対面したときの衝撃は忘れられないという。

明地
悟道支社長のことは、偉大な方だと入社当時から聞いていました。初めてお会いしたのは、富山支社の全職員が参加する会合に参加した時です。悟道支社長が会場に入られると全職員から自然と拍手が起こり、すごい方なのだなと驚くとともに、皆から慕われている方なのだなと感じたことを今でも憶えています。
悟道支社長が自伝に書かれたことは、富山支社に受け継がれていると自信を持って言えます。「強い相互信頼」「敢闘精神」「確固たる信念」をもって地道な活動を積み重ねてきたからこそ、お客さまとのつながりを深めることができたと思います。新しく訪れる営業先でもフコク生命のことを知らない方はほとんどいらっしゃいません。本当にありがたいことです。多くのお客さまから信頼をいただいている根拠です。
ひたすらお客さまのために、信頼される仕事をする。これが、富山支社のDNAなのだと思います。仕事がうまくいかず何度となく挫けそうになり、涙を流しながら帰ったこともあります。それでも、もうひと頑張りしようと思えたのは、お客さまの顔が浮かんだからです。お客さまのために、また明日も頑張ろうと。自然とそう思えたのは、先輩方のお客さまに寄り添う姿を見てきたからです。若い職員たちが、「お客さま基点」で奮闘する姿を見ていると、富山支社のDNAは確かに受け継がれていると感じます。
これから100年先も、ひたすらお客さまのためにというDNAは決して揺らぐことはありません。

先輩方の姿から、
DNAを継承する。

image

入社当時、富山支社の印象をアットホームで家族みたいな雰囲気だったと振り返る、三國梢(みくにこずえ)。それは5年経った今でも変わらないという。

三國
保険営業は簡単ではない、とても大変な仕事だと思っていました。何か特別な能力が必要なのではないかと。しかし、実際に働いてみると、そうではないことに気付きました。「あたりまえ」を、毎日コツコツと積み重ねること。そうすれば、自然と結果がついてくる。わたしにもできるのではと思えたことを今でも憶えています。そのことを教えていただいたのが、富山支社の先輩方です。多くのお客さまを抱えている大先輩でも、一人ひとりのお客さまに丁寧に対応されている。お祝いや新年のご挨拶は、絶対に欠かさない。「あたりまえ」を積み重ねることがどれだけ重要かということを、先輩方から知らず知らずのうちに学びました。ああしなさい、こうしなさいと教えられるのではなく、先輩方の姿から自然と学ぶことができる。これが富山支社らしさではないかと思います。
フコク生命に入社してから5年が経ち、常に上位の成績を残し続ける富山支社に対する誇りは強くなっています。そして、思うような結果を残せなかった時は、悔しいという感情を自然と抱くようになりました。皆で力を合わせ、一つのことを成し遂げるのが富山支社。お客さまのためにはもちろんなのですが、先輩のために、後輩のために、営業所のために、支社のために、自分のためだけでなく誰かのためにという想いを、富山支社の全職員が持っています。その想いに応えたい、わたしも誰かの力になりたいと心底思えるようになったのです。「親⼦以上に信じ合い、励ましあった、富⼭⽀社の皆さんの⽀えなくては 上位記録は維持することは出来なかったであろう」と悟道支社長は書かれていますが、このことは令和の今も変わりません。富山支社に受け継がれているこのDNAを継承し、さらに発展させていきたいと思っています。

厳しさから、
本当の伝統が生まれる。

image

「厳しい一面もあるが、頑張っただけ評価される」と感じたという平能雅典(ひらのまさのり)は、異業種からの転職で1987年フコク生命に入社した。

平能
建設会社からフコク生命に転職してすぐに、富山支社の勢いに圧倒されたことをはっきりと憶えています。わたしは営業の現場が初めてだったのですが、天地がひっくり返ったような驚きがありました。頑張っただけしっかりと評価される、その分、厳しさももちろんありました。悟道さんの言葉に「汗を流して働くことを⼤切にしよう」とあります。富山支社の根底にある仕事に対する厳しさが、わたしを育ててくれた根源になっていると感謝しています。
お客さまとの関係性が深いというのも、富山支社の特徴だと思います。どのように関係性を築いているのかと、ある職員に聞いたことがあります。すると、「特別なことはしていません。先輩を見習って、あたりまえのことをしているだけです」という答えが返ってきました。先輩から後輩にノウハウが受け継がれる、厳しさの中にも一体感や団結力があることが、富山支社の伝統なのだと思います。お客さまにご満足いただくために、何をすればよいかを常に考える。考え続けることで、人として成長することができ、結果として「お客さま基点」につながる。それが自然と受け継がれてきたのが富山支社です。こうしたことを次の世代にどのようにつないでいくか。100周年から次の100年に向けて、わたしたちの大きな仕事だと思っています。

フコク生命のDNA、
その全てがここにある。

image

いくつかの支社で支社長を経験したのち、2020年富山支社長に赴任した江口修(えぐちおさむ)。赴任当時の印象を、こう振り返る。

江口
富山支社は「お客さま基点」を実践している支社だと、強く感じました。わたしが赴任して最初に言われたことは、「職員たちの前では、必ずナンバーワンを目指すと言ってください。富山支社の職員たちはそれを求めています。そういう文化が、富山支社には根付いています」という言葉でした。初めて聞いた時は驚いたのですが、富山支社で働く職員たちを見ていると、全職員が常に真剣勝負。ナンバーワンを本気で目指していることが、ひしひしと伝わってきました。そして富山支社が追い求めるナンバーワンは、クオリティが伴ってこそ。営業成績だけでなくクオリティもナンバーワンであること。それを追い求めた結果、価値観である「お客さま基点」を高いレベルで実践できているのだと思います。どの支社でもクオリティをおろそかにしない仕事を求めてきましたが、富山支社では当然のこととして考えられています。「それができないと、お客さまからは絶対に信頼されない」と、全職員が考えています。
富山県ではフコク生命の知名度が非常に高いことも特徴です。だからではありませんが、恥ずかしいことはできませんし、富山県の方々の信頼を裏切ってはいけないと全職員が思っています。いついかなる時でも、お客さまのことを第一に考える。「お客さま基点」をずっと長い間、高いレベルで実践し続けてきたのが富山支社です。フコク生命のDNA、その全てがここにある。富山支社は「ザ・フコク生命」だと自信をもって言えます。

50年以上も前に遺された悟道の言葉は、揺るぎなきDNAとして一人ひとりの職員に継承されている。全ての面でナンバーワンを目指し、親⼦以上に信じ合い、励ましあう。全ての職員が価値観である「お客さま基点」を高いレベルで実践することで、トップランナーとして歩み続けてきたのが富山支社だ。この歩みをとめることなく、次の100年に向けて着実に進めていくことが、わたしたちの使命だ。