5つのリスクと公的保障
“ちょうどいい安心”のために、公的保障のことも知っておきましょう。
5つのリスク
- 病気・ケガ
- 就業不能
- 身体障がい
要介護 - 万一
(死亡) - 老後生活
資金不足
- 病気・ケガのリスクと公的保障
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病気やケガで入院・手術をしたときの公的保障として「公的医療保険制度」があります。
公的医療保険制度は、病気やケガで入院・手術をしたときの医療費負担が軽減される制度です。※ただし、診療の種類によっては、公的医療保険の対象にならないものがあります。
保険診療
医療費は医療行為ごとに決められた「診療報酬点数」によって計算され、年齢や所得によって自己負担割合が異なります。
● 自己負担の割合は…?
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小学校入学前2割※1
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小学生以上
70歳未満3割※1 -
70~74歳2割※2
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75歳以上1割※3
※1 各自治体の補助などにより、実際の負担が軽減されている場合があります。
※2 現役並み所得の場合は3割となります。
※3 75歳以上で一定以上の所得のある人は2022年10月より2割となっています。
● 自己負担額に上限はないの…?
高額療養費制度により、1ヵ月あたりの自己負担額が一定額を上回った場合、超過分が支給されます。限度額は以下のとおり算出されます。
自己負担限度額(70歳未満)
所得区分 自己負担限度額 標準報酬月額83万円以上 252,600円+(医療費-842,000円)×1%※4回目以降は140,100円 標準報酬月額53万円以上83万円未満 167,400円+(医療費-558,000円)×1%※4回目以降は93,000円 標準報酬月額28万円以上53万円未満 80,100円+(医療費-267,000円)×1%※4回目以降は44,400円 標準報酬月額28万円未満 57,600円※4回目以降は44,400円 住民税非課税 35,400円※4回目以降は24,600円 先進医療※1
先進医療とは、厚生労働大臣が定める先進的な医療技術を用いた治療のことで、先進医療部分は公的医療保険の対象とならないため、全額自己負担となります。
費用例:重粒子線治療を受けたケース放射線の一種である重粒子線をがん病巣に照射して悪性腫瘍を治療する先進技術です。従来の放射線と違い、治療効果も高く、副作用もほとんどありません。
公的医療保険の対象とならない診療への「ご自身での備え」の必要性はいっそう高まります。※1 先進医療として厚生労働大臣が認める医療技術および取扱医療機関は随時見直しされますので、先進医療に該当するかどうかは、必ず治療を始める前に主治医にご確認ください。
※2 厚生労働省 中央社会保険医療協議会総会「令和5年6月30日時点で実施されていた先進医療の実施報告について」より算出
自由診療
自由診療とは、すべての治療費を自己負担して受ける治療のことで、国内で未承認の治療や投薬を行ったときに自由診療扱となります。自由診療を受ける場合、本来公的医療保険の対象となる部分も含めてすべて自由診療扱となるため全額自己負担となります。なお、2016年4月からの「患者申出療養」により、一部保険外併用療養として混合診療が認められると保険診療との併用ができます。
費用例:大腸がんで国内未承認の抗がん剤による治療を受けたケース手術後に、公的医療保険適用の抗がん剤による化学療法を行っていたが、より効果を期待される国内未承認(当時)の抗がん剤※に切り替えて、長期にわたり入院・治療を行った。
費用約2,680万円
公的医療保険の対象とならない診療への「ご自身での備え」の必要性はいっそう高まります。記載の内容は、セコム損害保険株式会社との提携商品「自由診療保険メディコムプラス(新ガン治療費用保険(提携用))」の支払例です。
※使用抗がん剤:ベバシズマブ(2007年4月国内承認)、セツキシマブ(2008年7月国内承認)、カペシタビン(2007年12月国内承認)
こちらに記載されている公的保障制度に関する記載やその他の制度・数値などは、2023年4月現在のものです。
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- 就業不能のリスクと公的保障
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働けなくなったときの、その後の生活を守る公的保障として「傷病手当金」や「障害年金」があります。
傷病手当金は、健康保険に加入している方が、病気やケガで働けなくなり給与などをもらえないときに、生活保障として支給される手当てです。障害年金は、病気やケガで一定の障害状態になったときに支給される年金で、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。傷病手当金と障害年金とは
加入する年金や公的医療保険、家族構成などによって、支給額が異なります。● 傷病手当金と障害年金とは
働けなくなったときの収支バランスを考えたうえで、公的保障がどのくらい支給されるかを確認しましょう。
収入の減少、支出の増加により収支バランスは大きく崩れます。不足額を「ご自身での備え」でカバーする必要があります。会社員・自営業者が障害等級2級に認定された場合
● 会社員(35歳、健康保険・厚生年金)で障害等級2級に認定された場合
・平均標準報酬額40万円(賞与を含む平均月収)
・妻、子ども2人
治療費に加えて月々の給与から傷病手当金や障害年金の支給額を差し引いた額を、「ご自身での備え」でカバーする必要があります。※厚生年金の加入期間を15年とし、本来水準の計算式によって全てを総報酬制導入後の期間として障害厚生年金を算出した概算値です。
※直近の継続した12ヵ月間の標準報酬月額の平均額の30分の1
● 自営業者(35歳、国民健康保険・国民年金)で障害等級2級に認定された場合
・月収40万円
・妻、子ども2人
傷病手当金や障害厚生年金が支給されません。「ご自身での備え」の必要性はいっそう高まります。こちらに記載されている公的保障制度に関する記載やその他の制度・数値などは、2023年4月現在のものです。上記の年金額は2023年4月時点の価格で算出した新規裁定者(67歳以下)の計算上の目安額であり、実際の支給額を約束するものではありません。
- 身体障がい 要介護と公的保障
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身体障がい者になった場合の公的保障には、原則1割の自己負担で利用できる自立支援給付や市町村・都道府県による地域生活支援事業、公共料金の割引きや減免、国税・地方税の控除・免除などがあります。
身体障がいとは
「身体障がい」は身体障害者福祉法で定める以下の身体の機能の障がいのことをいい、部位ごとに、1級から7級の「障害程度等級」が定められています。6級以上の障がいに認定されると「身体障害者手帳」が交付されます。
障害部位 認定される級位 視覚障害 1~6級 聴覚または平衡機能の障害 2~6級 音声機能言語またはそしゃく機能の障害 3・4級 肢体不自由 1~7級 心臓機能障害 1・3・4級 腎臓機能障害 1・3・4級 障害部位 認定される級位 呼吸器機能障害 1・3・4級 膀胱または直腸の機能障害 1・3・4級 小腸機能障害 1・3・4級 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫 機能障害 1~4級 肝臓機能障害 1~4級 ● 身体障害認定基準の例
自立支援給付とは
身体障がい者への福祉制度のうち、障害者総合支援法で定める制度で、障がい者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、原則自己負担1割でさまざまな福祉サービスが受けられる制度です。市町村に申請し「障害支援区分(1~6級)」等の認定を受け、利用します。
● 自立支援給付の種類
身体障がいになったときの負担はどのくらいになるの?
身体障がい等の障がい者が、障害福祉サービスの「介護給付」を受ける場合、各市町村で「障害支援区分」の認定を受けます。「障害支援区分」の認定を受けると、区分に応じた「介護給付」を、自己負担1割で受けられます。また、障害福祉サービスの自己負担額は、所得に応じて次の4区分の負担上限月額が設定されます。
● 障害福祉サービスの自己負担上限月額
所得区分 世帯の収入状況
[18歳以上の障害者]
(受給者と配偶者
の所得合算)負担上限
月額生活保護 生活保護受給世帯 0円 低所得 市町村民税 非課税世帯(注1) 0円 一般1 市町村民税 課税世帯〔所得割16万円未満(注2)〕
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)9,300円 一般2 上記以外 37,200円 (注1)3人世帯で障害基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね300万円超600万円以下の世帯が対象となります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は市町村民税課税世帯の場合、「一般 2」となります。
出典:厚生労働省 全国社会福祉協議会「障害福祉サービスの利用について(2021年4月版)」
● 費用例 30歳で身体障がいになり、50年間障害福祉サービスを利用した場合
(世帯の所得区分が「一般 1」の場合)9,300円×12ヵ月×50年=558万円若い時期に身体障がいになった場合、「障害福祉サービス」の利用期間は長くなりがちです。身体障がい状態が長期間になった場合に備えた準備が大切です。「障害福祉サービス」と公的介護保険の「介護サービス」のどちらも受けられる場合 身体障がい者で「障害支援区分」の認定をされている人が、公的介護保険の「要介護認定」を受けられる場合、「障害福祉サービス」と「介護サービス」のそれぞれの範囲内でそれぞれのサービスを利用することができますが、「障害福祉サービス」と「介護サービス」が提供するサービスには同様のものがあります。
この場合、サービスの内容や機能からみて、障害福祉サービスに等しい介護保険サービスがある場合は、基本的に介護保険サービスを優先して受けることになります。
このような場合でも、「障害福祉サービス」にはあり「介護サービス」にはない「自立訓練」、「就労継続支援」等の「訓練等給付」については引き続き「障害福祉サービス」を利用することができます。介護が必要となったときの公的保障として、「公的介護保険」があります。「公的介護保険」とは、所定の要介護(要支援)状態になったとき、支給限度額内であれば、介護サービスを1割の自己負担※で利用できる制度です。対象になる年齢や条件を確認しましょう。
※一定以上の所得のある65歳以上の方は2割負担です。 また、2018年8月からは、2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合は3割となります。
公的介護保険とは
● 加齢を原因とする特定の疾病とは?
がん・関節リウマチ・初老期認知症・脳血管疾患など、16種類が認定されています。
がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る) 関節リウマチ 筋萎縮性側索硬化症 後縦靭帯骨化症 骨折を伴う骨粗鬆症 初老期における認知症(アルツハイマー病、血管性認知症など) 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病 脊髄小脳変性症 脊柱管狭窄症 早老症 多系統萎縮症(シャイ・ドレーガー症候群など) 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など) 閉塞性動脈硬化症 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎) 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 ● 要介護(要支援)認定の目安、在宅サービス支給限度額と自己負担額
支給限度額を超えた分は全額自己負担です。要介護度 身体の状態例 支給限度額 自己負担額(1割) 要支援1 日常生活の動作の一部(入浴・掃除など)に何らかの介助を必要とする。 50,320円/月 5,032円/月 要支援2 要介護1相当ではあるが、生活機能の維持改善の可能性が高い。 105,310円/月 10,531円/月 要介護1 日常生活の動作の一部や移動の動作などに何らかの介助を必要とする。物忘れおよび理解の一部低下がみられることがある。 167,650円/月 16,765円/月 要介護2 日常生活の動作、食事、排泄などに何らかの介助や支えを必要とする。物忘れおよび直前の動作の理解に一部低下がみられる。 197,050円/月 19,705円/月 要介護3 日常生活の動作、食事、排泄などに介助や支えを必要とする。物忘れおよび問題行動、理解の低下がみられる。 270,480円/月 27,048円/月 要介護4 食事、排泄を含む日常生活全般が自分ひとりではほとんどできない。多くの問題行動や理解の低下がみられる。 309,380円/月 30,938円/月 要介護5 食事、排泄を含む日常生活全般が自分ひとりではできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられる。 362,170円/月 36,217円/月 ※上記の支給限度額は標準地域のケースで、地域により差が生じることがあります。
要介護状態になったとき、負担はどのくらいになるの?
要介護状態になったときにかかる費用は、「公的介護保険の被保険者かどうか」と「要介護状態になった原因」によって大きく変わります。
● 費用例 要介護2の状態に該当し、支給限度額相当の介護サービスを5年間(60ヵ月)受けた場合
● 要介護状態になったときの負担額の差
公的介護保険制度の対象となるかどうかで、必要となる「ご自身での備え」は大きく異なります。※ 一定以上の所得のある65歳以上の方は2割または3割負担です。
このページに記載されている公的保障制度に関する記載やその他の制度・数値などは、2023年4月現在のものです。
- 万一のリスクと公的保障
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一家の大黒柱に「万一」のことがあったときに、残された家族のその後の生活を守る公的保障として「遺族年金」があります。
「遺族年金」は公的年金制度(国民年金・厚生年金)に加入の方が亡くなった場合に、残されたご家族に支給される年金で、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。加入している年金の種別によって支給額が異なることなどを確認しましょう。遺族年金とは
加入する年金や家族構成などによって支給額が異なります。● 生活費と遺族年金の支給額
一家の大黒柱を失ったとき、生活費に対してどのくらいの金額の遺族年金が支給されるのか確認しましょう。
不足額を「ご自身での備え」でカバーする必要があります。そのうえ、お子さまの教育費を確保しなければなりません。遺族年金の支給額は?加入する年金によってどれくらい違うの?
会社員・公務員と自営業者では加入している年金が異なります。会社員・公務員は遺族基礎年金に遺族厚生年金が上乗せ支給されるのに対し、自営業者は遺族基礎年金しか支給されないため、会社員・公務員に比べて支給額は少なくなります。
● 会社員(厚生年金)の夫が35歳で死亡した場合
・平均標準報酬額40万円(賞与を含む平均月収)
・夫死亡前の生活費30万円
・妻:30歳専業主婦、子ども:2人(2歳、0歳)
生活費に対して不足する額を、「ご自身での備え」でカバーする必要があります。そのうえ、お子さまの教育費も確保する必要があります。● 自営業者(国民年金)の夫が35歳で死亡した場合
・夫死亡前の生活費30万円
・妻:30歳専業主婦、子ども:2人(2歳、0歳)
生活費に対して不足する額を、「ご自身での備え」でカバーする必要があります。そのうえ、お子さまの教育費も確保する必要があります。自営業者(国民年金)は会社員・公務員(厚生年金)と比べ支給額が少ないため、「ご自身での備え」の必要性はいっそう高まります。※妻の国民年金の保険料納付期間は40年間とします。
このページに記載されている公的保障制度に関する記載やその他の制度・数値などは、2023年4月現在のものです。上記の年金額は2023年4月時点の価格で算出した新規裁定者(67歳以下)の計算上の目安額であり、実際の支給額を約束するものではありません。
- 老後の生活資金不足のリスク
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老後の生活を守るための公的保障として「老齢年金」があります。
「老齢年金」には、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。加入している年金の種別によって支給額が異なることなどを確認しましょう。老齢年金とは
加入する年金などによって支給額が異なります。● 生活費と老齢年金の支給額
老後の生活費は、どのような老後生活を望むかによって大きく異なります。ご自身の望む老後生活に対して、どのくらいの老齢年金が支給されるのかを確認しましょう。
必要額は望む生活水準によりさまざまです。※1 出典:総務省統計局「2022年家計調査 家計収支編」(消費支出額+非消費支出額)
※2 出典:(公財)生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」
老齢年金の支給額は?加入する年金によってどれくらい違うの?
● 試算設定条件
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夫:公的年金加入期間/40年(480ヵ月)、会社員の場合、2003年3月以前20年・平均標準報酬月額30万円/2003年4月以後20年・平均標準報酬額40万円
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妻:公的年金加入期間/40年(480ヵ月)、会社員の場合、2003年3月以前20年・平均標準報酬月額25万円/2003年4月以後20年・平均標準報酬額35万円
※下記の年金額は2023年4月時点の価格で算出した新規裁定者(67歳以下)の計算上の目安額であり、実際の支給額を約束するものではありません。
● ケース1 夫:自営業者、妻:専業主婦の場合
● ケース2 夫:会社員、妻:専業主婦の場合
● ケース3 夫:会社員、妻:会社員の場合
自営業者(国民年金)は会社員・公務員(厚生年金)に比べ支給額が少ないため、「ご自身での備え」の必要性はいっそう高まります。このページに記載されている公的保障制度に関する記載やその他の制度・数値などは、2023年4月現在のものです。
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