保険お役立ちコラム

持病があっても入れる医療保険の種類|メリット・デメリットと合わせて解説

持病があっても入れる医療保険の種類|メリット・デメリットと合わせて解説
  • ワイド・プロテクト

ぜんそくや糖尿病など、何らかの持病がある人の場合、そうでない人に比べて医療保険への加入が難しくなります。既往症がある人・がんを経験している人なども、保険商品によっては加入を断られることがあります。よって、一般的には医療保険の加入検討は病気をしていない、若いうちにしておくのがおすすめです。
とはいえ、持病や既往症があるからといって、すべての医療保険への加入をあきらめる必要はありません。この記事では、持病があっても入れる可能性のある医療保険の種類や、加入するメリット・デメリットについて解説します。

  • 本記事の内容は公開日時点の情報となります。法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

  • 本記事では、一般的な例を記載しています。本記事で言及している保険商品・保障内容等について、当社では取扱いの無い場合がございます。詳細は取扱いのある金融機関にお問合わせください。

1.そもそも「持病」とは?

そもそも「持病」とは?

「持病」という言葉を聞いたとき、思い浮かぶ症状は人それぞれです。一口に「持病」といってもさまざまな種類があり、保険に加入するうえで大きな問題にならない病気もあれば、通常の医療保険に加入するのが難しい病気もあります。
以下、持病とは何なのか、医療保険加入の観点から解説します。

持病(基礎疾患)について

持病とは、「基礎疾患」とも呼ばれ、長期間・慢性的に「なかなか治らない病気」のことをいいます。厚生労働省から示されている基礎疾患には、以下のようなものが該当します。

①下記の病気や状態で、通院や入院をしている人

  1. 1.

    慢性の呼吸器の病気

  2. 2.

    慢性の心臓病(高血圧を含む。)

  3. 3.

    慢性の腎臓病

  4. 4.

    慢性の肝臓病(肝硬変など)

  5. 5.

    インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病または他の病気を併発している糖尿病

  6. 6.

    血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)

  7. 7.

    免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)

  8. 8.

    ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている

  9. 9.

    免疫の異常にともなう神経疾患や神経筋疾患

  10. 10.

    神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害など)

  11. 11.

    染色体異常

  12. 12.

    重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)

  13. 13.

    睡眠時無呼吸症候群

  14. 14.

    重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、または自立支援医療(精神通院医療で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)

②基準(BMI30以上)を満たす肥満の人

持病に当てはまる主な病気・症状としては、糖尿病・ぜんそく・アトピー性皮膚炎などがあげられます。腰痛や痛風・歯周病なども、持病の中に含まれます。持病がある人は、医療機関で継続的な治療を受ける必要があり、持病がない人に比べて病状が悪化し、入院や手術をするリスクも高くなると考えられています。
そのため、保険申込者が抱えている持病によっては、医療保険への加入できない場合があります。

持病があると保険には入れない?

持病がある人は、慢性的に体調面での不安を抱えていますから、医療保険に加入することで将来の不安にそなえたいと思いますよね。結論から言いますと、持病があるからといって保険に入れないわけではありません。
しかし、大半の医療保険は、基本的に「健康な状態」での加入を前提としています。その理由を説明しますと、まず保険は相互扶助の精神で成り立っていて、大勢の人々がお金を出し合い、万一のことがあったら人々が出し合ったお金の中から保険金を出すという仕組みです。よって、病気になる確率が高い人を多く加入させ、病気になる方が増えてしまうと、お金が足りなくなり保険が成り立たなくなってしまう可能性があるのです。
よって、保険会社は契約者の利益を守るために、加入する前に告知や医師の診査を義務付けています。そのため、保険会社が取り扱う商品によっては、持病があることを理由に契約を断られてしまう可能性があるのです。
ただし、持病の種類や症状によっては、条件つきで加入が認められる場合もあります。また、持病がある方でも入りやすい医療保険も存在します。持病があるからといって、医療保険に入れないとは必ずしも言えないのです。

医療保険の加入が難しい場合、保険会社の対応は?

保険会社が医療保険の加入を引き受けるのは難しいと判断した場合、その判断はいかなる状況でも変わらないのでしょうか。実際のところ、完全に加入できない場合もあれば、一定の条件を設けて加入できる場合もあります。そのほか、将来的に加入の可能性が残る選択肢もあり、その判断はケースバイケースです。
以下、保険申込者の医療保険加入が難しい場合に、保険会社がとる対応の種類についてご紹介します。

謝絶

謝絶(しゃぜつ)とは、保険申込者の健康状態・病歴・職業などを理由に、保険契約が不承諾となることをいいます。
実質的に「あなたの健康状態・病歴・職業ではお引受けできません」という回答で、保険申込者は医療保険の申込みを断られた形になります。謝絶となった明確な理由や審査基準は、保険会社から教えてもらえないことがほとんどです。
しかし、謝絶は「類似するすべての保険商品に加入できない」という意味ではありません。
保険会社から謝絶された人でも、加入条件を緩和した保険などに加入できる可能性はありますから、いろいろな保険商品を探してみることをおすすめします。

延期

現在は持病があるので加入できないと判断されたものの、将来の再検査の結果しだいで加入できる見込みがある人については、引受延期となる場合があります。引受延期に関しても、謝絶と同じく、審査基準や明確な理由は教えてもらえない可能性が高いでしょう。再検査の結果が良くなるとは限らないので、引受延期と判断された人は、別の保険商品への加入も検討しておきたいところです。

部位不担保

特定の疾病・部位につき保障から外す条件のことを「部位不担保(ぶいふたんぽ)」といい、一般的な医療保険に比べて保険金を受け取れる条件が制限されます。部位不担保で加入した場合、特定の病気や特定の部位の手術を受けたり入院したりしても、保険金が受け取れない可能性があります。
ただし、 いつまでも部位不担保が続くわけではなく、保険期間中に不担保の期間が限定されるケースもあります。仮に、不担保期間が2年であれば、2年後からは保障を受けられます。

2.持病があっても入れる医療保険の種類

持病を抱えている状態でも、将来のことを考えて何らかの医療保険に加入したいなら、比較的加入基準が緩和されている医療保険を選ぶのがよいでしょう。
以下、持病があっても加入できる医療保険についてご紹介します。

引受基準緩和型

引受基準緩和型保険とは、一般的な医療保険に比べて、加入が認められる基準が緩和されている保険のことです。たとえば、一般的な医療保険が告知書で確認する項目が6~9つだとすると、引受基準緩和型は項目の数が3~5つに抑えられています。もちろん、病歴や症状によっては加入できないリスクもありますが、それでも加入は難しくない部類に入るでしょう。
過去に医療保険への加入を申し込んで、残念ながら謝絶や部位不担保になってしまった人は、検討する価値のある保険です。引受基準緩和型保険は、持病が悪化した場合・加入前にかかっていた病気が再発した場合でも、保障対象となる可能性があります。ただし、保険会社が契約上の責任を開始する前(責任開始日前)に、医師から入院・手術をすすめられている場合は対象外です。

無選択型

無選択型保険とは、加入時に告知や医師による診査が不要の保険のことです。
診査とは、保険会社の指定する医師が健康状態をチェックし、告知書の質問事項について被保険者に嘘偽りなく答えてもらうことをいいます。無選択型保険は、病歴などの理由から、告知の段階で条件を満たせない人でも加入できる可能性があります。加入年齢の上限も高めに設定されている商品が多く、年齢が理由で医療保険に加入できなかった人にもチャンスがあります。加入条件が大幅に緩和されていて、実質的に無条件で加入できるため、持病などを心配する必要もありません。
一般的な基準の医療保険に加入できず、引受基準緩和型も厳しい場合の選択肢が、無選択型保険といえるでしょう。

通常の保険でも加入できる場合がある

持病に関する保障は必要ないと考えている人は、あえて部位不担保という形で、一般的な医療保険に加入する方法もあります。持病だけが原因で一般的な医療保険に加入できないのなら、健康状態しだいで部位不担保での加入が認められる可能性は十分あります。
引受基準緩和型保険・無選択型保険を検討した結果、自分の希望に近い保障が見つからなかった場合は、通常の保険にも目を向けてみましょう。

3.持病があっても入れる医療保険の注意点

持病があっても入れる医療保険の注意点

持病があっても入れるタイプの医療保険は、一般的な医療保険と比べて、何らかの制限が設けられていることがほとんどです。加入を検討する際は、以下の点に注意が必要です。

保険料は割高になる

引受基準緩和型・無選択型の保険は、引受基準をやさしくしている分、保険料が割高になりがちです。持病がある人は、健康状態が良好な人と比べて保険金を受け取る可能性が高いため、公平性の問題から保険会社が保険料を高く設定しているのです。一概にはいえませんが、引受基準緩和型と一般的な医療保険を比較すると、保険料の金額差が2倍以上になるケースもあります。実際に加入する際は、家計とも相談しながら決めたいところです。

給付される金額が少ない

引受基準緩和型保険は、保障の内容によって、支払削減期間が設定されている場合があります。支払削減期間とは、保険加入後、一時金などの支払金額が削減される期間のことをいいます。具体的には、加入から1年以内に支払事由に該当した場合、給付額が50%に削減されるケースなどが該当します。
上記ルールの場合、入院給付金日額が10,000円だと、加入1年以内の給付額は5,000円になるので注意しましょう。無選択型も、保険金などが少額の設定となるため、保障内容は一般的な医療保険に比べて薄めです。
一定額の貯蓄がある人は、あえて加入する必要があるかどうか、商品の中身をよく確認しておきましょう。

「加入できるかどうか」で選ばない

これまで保険への加入をあきらめていた人が、自分にも加入できる保険があると知ったら、急いで加入しなければとあせってしまうかもしれません。
しかし、保障の重要性はあくまでも保障内容にあるので、せっかく加入できても保障が充実していなければ意味がありません。持病以外で心配している点について、どれだけカバーできるかを考えながら、商品を選ぶことが大切です。

4.まとめ

持病があっても入れる医療保険の存在は魅力的ですが、一般的な医療保険に比べて保障は薄い上に保険料が高額になる傾向にあるため、何を重視するかが大切です。健康不安にそなえたいのであれば、引受基準緩和型保険や無選択型保険を選ぶメリットは十分あります。持病があるからといって医療保険への加入をあきらめる必要はありませんが、加入できる保険が限られてしまうことがほとんどです。
できれば、既往歴が無い、持病が無い若いうちに医療保険を契約することをおすすめします。医療保険を選ぶなら、複数の選択肢の中から、自分が納得するものを選びましょう。

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