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先進医療とはどんな技術のこと?種類や高額療養費制度の適用など気になる点をチェック!

先進医療とはどんな技術のこと?種類や高額療養費制度の適用など気になる点をチェック!
  • ワイド・プロテクト

先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養です。
しかし、先進医療は公的医療保険の対象になっていないため、公的医療保険の対象外で技術料は全額患者負担となります。受けられる施設が決まっていることや、費用負担が高いことなどから、公的医療保険の対象となっている治療と比べると、先進医療はハードルが高い治療です。
この記事では、先進医療とはどのような医療技術のことをいうのか、具体的な例も含めて解説します。

  • 本記事の内容は公開日時点の情報となります。 法令や情報などは更新されていることもありますので、最新情報を確かめていただくようお願いいたします。

  • 本記事では、一般的な例を記載しています。本記事で言及している保険商品・保障内容等について、当社では取扱いの無い場合がございます。 詳細は取扱いのある金融機関にお問合わせください。

  • 先進医療については、対象となる医療行為や医療機関に制限があります。詳しくは厚生労働省のホームページなどをご確認ください。

1. 先進医療とは

先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養で、公的医療保険の対象とするか否かを評価が必要なものを指します。
病院で治療を受ける際は公的医療保険を使用した保険診療を受けるのが一般的です。公的医療保険が適用される「保険診療」は治療方法が決められていて、それ以外の治療法や薬を適用することはできません。
保険適用外の治療法や薬を使用したい場合は、“自由診療”となり、本来保険適用となる部分も含めて医療費全額が自己負担となってしまいます。
この例外として認められているのが「先進医療」です。先進医療は公的医療保険の対象外で費用は全額患者負担となりますが、“自由診療”にはならず、保険診療と併用して受診できます。
しかし、先進医療は受けられる場所が少なく、都市部や大学病院などの専用の設備や環境が整っている医療機関でしか受けることはできません。
まずは、先進医療の概要についてご紹介します。

これまでにはないメリットが期待できる医療技術

医療技術は日々進歩しているため、多くの病気が治療できるようになりました。先進医療も進歩した医療技術の一つです。病気によっては、公的医療保険が適用される治療ではなく、先進医療を受けた方が良いこともあるでしょう。
公的医療保険は適用されないものの、厚生労働省に認められた新しい治療技術が受けられるという点は、先進医療のメリットです。
しかし、新しい医療技術が発見されたからといって、すぐさま厚生労働省に先進医療として認められるわけではありません。
難病などの新しい治療や手術について一定の実績を積み、医療技術が確立されることで、ようやく厚生労働省に先進医療として認められるのです。

先進医療の技術料について

先進医療は、先進的な医療技術の中でも一定の実績があり、公的医療保険の適用を前提に厚生労働省が認定しているものです。
しかし、まだ公的医療保険の適用段階まで進んでいない「評価中」の医療技術のため、技術料は100%自己負担となってしまうのがデメリットです。
医療機関を利用して治療を受けた際に、先進医療の部分が含まれている場合は、その部分につき自己負担で料金を支払うことになります。
通常の治療と共通する部分に関する費用は、一般の保険診療と同様に扱われますが、それでも先進医療の技術料は高額となってしまう傾向があります。
厚生労働省の資料「令和5年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」には、以下のような高額の医療費が発生する先進医療が掲載されています。

技術名 年間実施件数(件) 1件あたりの医療費(※1)
重粒子線治療 442 約314万円
陽子線治療 827 約266万円
  • 1 先進医療総額を年間実施件数で割って算出

先進医療は非常に高額で、しかも公的医療保険が適用されないため、先進医療を受けるには民間の医療保険に加入しているかどうかが重要になります。 フコク生命の「先進医療特約」も、先進医療による療養を受ける場合の費用負担にそなえた商品となっています。

技術ごとに一定の施設基準が設定されている

先進医療を受けるにあたり、忘れてはならないのは、技術ごとに一定の施設基準が設定されている点です。
医療技術ごとに申請が行われ、承認された医療機関でしか先進医療を行うことができないため、どうしても施設が限定されてしまいます。
たとえば、地方の町村で暮らしている人が先進医療を受けたいと考えた場合、都市部まで足を運ばなければなりません。
先進医療にかかる費用に加えて、交通費や宿泊費も発生しますし、体力的な負担も大きくなるでしょう。
かかりつけの医師(近医)が、患者の症状に関する先進医療の専門外である場合、そもそも先進医療の情報が手に入らないことも考えられます。
先進医療を受けるかどうかは、病気の症状や居住地域・治療にかかる時間などを考慮したうえで判断しましょう。

2.先進医療の種類

先進医療には数多くの種類があり、2025年3月31日現在で76種類が存在しています。
以下、先進医療の種類や費用について解説します。

「先進医療A」と「先進医療B」がある

先進医療は、対象となる技術の内容によって、先進医療A・Bの2種類に分類されています。 先進医療A・Bともに、公的医療保険の対象にするかどうか評価中のものですが、明確な違いがあります。

先進医療A

先進医療Aに分類される医療技術では、原則として厚生労働省が承認していない医薬品・医療機器は用いられません。未承認の検査薬などを使用した場合であっても、人体への影響がきわめて小さいものは、先進医療Aに分類されます。

先進医療B

先進医療Bを先進医療Aと比較した際の大きな違いは、厚生労働省が承認していない医薬品・医療機器の使用をともなうケースがある点です。
技術の成熟度が低いなどの理由から、実施にあたり施設が限定される医療技術も、先進医療Bに分類されます。

先進医療A・Bの具体例について

先進医療A・Bともに、さまざまな病気に対する医療技術が登録されています。
以下、それぞれの一例をご紹介します。

先進医療A

先進医療Aに分類されている医療技術の例としては、次のようなものがあげられます。

  • 陽子線治療

  • 重粒子線治療

  • 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断
    など

陽子線治療や重粒子線治療は、がんに対してピンポイントでエネルギーを照射する治療法で正常な細胞への影響が少ないため、体への負担が少ないことが特徴です。
そのほかの医療技術も、公的医療保険が適用される治療法に比べてメリットが大きいものが多く、将来的な公的医療保険への適用が期待されます。

先進医療B

先進医療Bに分類されている医療技術の例としては、次のようなものがあげられます。

  • インターフェロンα皮下投与及びジドブジン経口投与の併用療法

  • 腹腔鏡下センチネルリンパ節生検
    など

経皮的乳がんラジオ波焼灼療法は、早期乳がんを切らずになおす治療法で、患者の心身の苦痛を軽減することが期待されています。
しかし、治療を受けられる医療機関は限られています。そのほかの医療技術も含め、先進医療Bに該当する技術は、総じて公的医療保険の適用を受けるためのハードルが高いものと推察されます。

先進医療を受ける人は多いのか

先進医療を選んで治療を受ける人は、決して多くありません。
費用が高額かつ全額自己負担ということもありますが、治療を受けられる医療機関が限られているなど、誰でも気軽に受けられない事情があるからです。
費用負担が気になる方は、医療保険に「先進医療特約」を付加することを検討してみてはいかがでしょうか。多くの保険商品で、月数百円程度で加入できます。

3.先進医療と高額療養費について

高額療養費

先進医療を受ける際に、高額療養費制度があれば問題ないと考えている人もいるかもしれません。
しかし、高額療養費制度は公的な医療保険制度にもとづいているため、先進医療にそのまま適用されない点に注意が必要です。

高額療養費とは

高額療養費とは、月の1日から月末までにかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分があとで払い戻される制度のことです。
自己負担限度額については、患者の年収(国民健康保険)や標準報酬月額(健康保険)に応じて、月単位の上限額が定められています。あらかじめ、医療費が高額になることが事前に分かっている場合には、限度額適用認定証を提示する方法もあります。
高額療養費を利用すると、大幅に自己負担額を減らすことができますから、先進医療に活用したいと考える人は多いかもしれませんが、先に述べた通り先進医療は、公的医療保険の適用対象外です。

先進医療に高額療養費は適用される?

高額療養費制度は、公的医療保険にもとづく制度のため、公的医療保険の対象外である先進医療の負担額を軽減することはできません。
そのほか、先進医療を受けるときにかかった入院時の食事や差額ベッド代なども、高額療養費の対象外となります。よって、先進医療を受ける際は、自力または民間保険によって費用を工面する必要があります。

先進医療にかかる費用を推計しておく

先進医療を受けた場合、先進医療部分の費用は全額自己負担になります。
しかし、その金額は技術の内容や医療機関によって違いますから、事前に確認が必要です。より詳細な費用を算出するためには、先進医療を受けるにあたり、公的医療保険が適用される部分についても把握しておきたいところです。たとえば、通常の保険診療で行われている診察・検査・投薬に関しては、公的医療保険が適用されます。
自分が必要とする可能性がある、または気になっている先進医療については、あらかじめ医療機関でかかる金額を確認しておきましょう。先進医療部分(自己負担額)に加えて、公的医療保険が適用される金額を見積もっておけば、貯金する際の具体的な金額がイメージしやすくなります。

4.まとめ

先進医療の技術は、公的医療保険が適用される治療法に比べてメリットがある反面、全額自己負担となる点がネックです。技術や医療機関によって金額が違いますから、どうしても先進医療を受けたい場合、まとまったお金が必要です。
医療保険の中には、先進医療特約という形で、先進医療にそなえられるものもあります。 フコク生命の医療保険には「先進医療特約」を付加できます。多くのお客さまにご契約いただいていますので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。

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