保険お役立ちコラム
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日本人の三大疾病の一つであるがんは、治療費が高いイメージがある人も多いのではないでしょうか。
がん治療では、公的医療保険が適用される場合は高額療養費の対象となりますが、先進医療の技術料は自己負担のため、各種治療法と金額を把握したうえで民間保険を検討することをおすすめします。
この記事では、がん治療に必要となる平均額や、保険適用外の先進医療の費用感についてわかりやすく解説します。
そもそも、自分ががんになってしまったら、どのくらいの期間入院しなければならないのかご存じでしょうか?
厚生労働省の「令和5年(2023)患者調査」によると、悪性新生物(がん)によって入院した患者が退院するまでの平均在院日数は、14.4日となっています。令和2年の調査では19.6日であるため、約5.2日短期化しています。
三大疾病である心疾患や脳血管疾患と比較すると、心疾患で平均18.3日、脳血管疾患では平均68.9日と、がんは比較的短い入院日数であることがわかります。
また、年代別に見ると、65歳以上は平均15.5日入院するのに比べて、15歳~34歳では平均14.0日となっており年齢を重ねるにつれて入院が長期化する傾向があります。
この結果から、がんになった場合の入院日数は短期化傾向にあることが分かりますが、治療は入院だけで完結するわけではありません。実は入院日数が短期化する一方、「通院による治療期間」が長くなっているのです。
最近のがん治療では入院より通院による治療が増えている要因としては、通院しながら治療できる抗がん剤治療や放射線治療が増加していることが挙げられ、そのような治療はこれまでの入院より高額になることも少なくありません。
そのため、がん保険に加入する際には、がん治療全体のカバーができる保険を選ぶことがおすすめです。
がん治療の費用は、がんの種類や治療方法、治療期間によって大きく異なります。
医療給付実態調査によると、入院1件あたりの治療費は以下のように計算できます。
部位別に、がんで入院する場合の入院治療費用をまとめたのが以下の表です。
診断名 | 1日あたりの入院治療費の平均 | 平均在院日数 | 入院1件あたりの治療費 |
---|---|---|---|
胃がん | 46,862円 | 14.7日 | 688,874円 |
結腸がん | 44,442円 | 15.3日 | 679,963円 |
直腸がん | 51,752円 | 15.3日 | 791,798円 |
肝がん | 49,489円 | 13.6日 | 673,051円 |
肺がん | 52,052円 | 14.1日 | 733,932円 |
乳がん | 65,780円 | 9.4日 | 618,330円 |
※入院1件あたりの治療費は点数÷件数×10で計算された結果の小数点第一位を四捨五入した数値を記載しています。
実際の自己負担額は、年齢や収入などによって異なります。現役世代は3割負担です。
このほかにも、入院中は食事代や差額ベッド代、通院やお見舞いのための交通費など、想定していない費用がかかる可能性もあります。
また、症状や治療法などによっても、入院費は変わります。
高額療養費制度とは、医療費を支払う際の自己負担額を軽減する制度のことです。
高額療養費制度は、病院・薬局で支払う金額が自己負担限度額を超えた場合、あとから超えた金額が戻ってくる仕組みとなっています。
ただし、払い戻してもらうためには申請が必要で、いったん自分でお金を立て替えて支払う必要があります。
事前に医療費が高額になることが分かっている場合、限度額適用認定証を提示すると1ヵ月(1日から月末まで)の窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられるので、覚えておくと良いでしょう。
がん治療には、手術や化学療法など複数の治療法があります。
具体的な治療方法と、それぞれの費用感について解説していきましょう。
がんがそれほど大きくなく、転移もない初期の状態なら手術がもっとも効果的な治療とされています。
かつてのがん手術では、切開や全身麻酔を使用することなどが多く、患者への肉体的な負担が大きいのがデメリットでした。
しかし、近年では内視鏡の技術が進歩し、切開個所が小さく患者への負荷が少なくなり入院日数も短縮傾向です。
手術費用は、部位や内容、どのような手法で行うかによっても大きく異なります。
化学療法とは、がん組織が全身に転移している場合などで、全身に病変がおよぶ場合、がんの進行を抑制、手術で取り切れなかった微小ながん細胞を排除、手術後の再発を防止するなど、さまざまな目的で用いられる全身治療のことです。
具体的には、抗がん剤・ホルモン剤を使用した治療が該当し、抗がん剤は正常な細胞にも作用することから、身体への負担も大きくなってしまいます。
そのため、化学療法を用いた治療では、一般的に薬剤と使用サイクルを調整しながら治療を進めていくことになります。
化学療法では、治療に長期間かかることが多く、費用も高額となる場合もあります。
がん治療における放射線治療とは、患部に放射線をあてることにより、細胞のDNAに損傷を与えてがん細胞を死に至らしめる治療法のことです。
放射線治療では、身体の外から放射線をあてる外部照射が一般的ですが、がんやその周辺に放射線をあてる内部照射という方法もあり、場合によっては両方を組み合わせることもあります。
放射線治療は、小さながん病巣に用いられることが多い治療法です。
一部の治療に関しては「先進医療」に該当する場合があるため、先進医療の技術料は全額自己負担となる点に注意が必要です。(詳しくは後ほど詳しく解説します。)
がん治療法には、公的医療保険の対象とならない高度な医療技術を用いた「先進医療」があります。
具体的には、未承認の抗がん剤を使った治療や、重粒子線治療・陽子線治療などの放射線治療などが該当します。
先進医療は保険が適用されないため、治療法次第で数百万円の高額な治療費用が発生することもあります。
最新のがん治療では、がんゲノム医療があります。
がんゲノム医療とは、遺伝子情報を調べて、一人ひとりの体質や病状に合わせて行う治療法のことです。
具体的には、がん遺伝子パネル検査という、数十から数百の「がん関連遺伝子」を一度に調べる検査を行うことで、がんに関わる遺伝子を一度に調べることでがんの個性を明らかにして最適な治療法を検討するものです。
公的保険診療での検査は誰でも受けられる検査ではなく、原則として生涯で1回しか受けられないという制約もありますが、遺伝子によって合う薬や治療法がわかるので、がんに対して効果的な治療を行うことができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
がん治療にかかる費用は、医療費だけではなく細々とした出費も考えておかなければなりません。
また、がんは通院により治療が長期化するため、治療中の収入減少についても対策が必要です。
様々な治療法があるがん治療ですが、手術治療はどうしても入院期間が長くなりやすいです。
化学療法・放射線治療は通院でも治療が可能ですが、それでも通院の手間や交通費は発生してしまいますし、体調によっては入院を勧められることもあるでしょう。
もし入院するとなると、身の回りの日用品や衣類・パジャマなどの洗濯をどうするかという問題も生じます。
家族が遠くにいる場合は、滞在費用もかかるため、出費は家計を圧迫することを考えておかなければなりません。
貯蓄が十分な場合を除いて、がんの治療中は収入が減ることも大きな問題の一つです。
入院してしまうと職場への出勤はできず、病院で仕事をするにも限界があります。
また、最近のがん治療は入院よりも通院治療がメインとなっていますが、抗がん剤治療では吐き気や貧血などの副作用もあるため、仕事ができる状態ではないことがほとんどです。
自営業者は収入を絶たれることになるほか、会社員の場合でも福利厚生・傷病手当金の給付などにも限界があるので想定よりも厳しい収支状況になることが多いです。
「がん」と診断された場合の給付金などは、そのような収入の減少に備えて余裕を見たプランニングをすることをおすすめします。
いついかなるときに、自分や家族ががんになるのかは、誰にも分かりません。
だからこそ、がんにそなえるためには、がん治療を安心して受けられる保険に加入することが大切です。
医療保険に加入している場合も入院一時金がもらえますが、がん治療はほかの病気よりも長引く可能性が高く、治療法も多岐にわたるため、がん保障に特化した「がん保険」がおすすめです。
がん保険に加入しておけば、がんと診断された時点で一時金がもらえるほか、各種給付金がもらえるプランや先進医療特約をつけることもできるので、がんにそなえたい人には最適な選択と言えるでしょう。
がんにそなえるなら、フコク生命の医療保険「ワイド・プロテクト」のがん診断治療特約、およびがん保険の「自由診療保険メディコムプラス」(※)がおすすめです。
ワイド・プロテクトは、日帰り入院から30日以上の長期入院まで幅広い入院期間に備えられるほか、がんと診断された時点で一時金が受け取れる「がん診断治療特約」や先進医療特約までカバーできます。
がん保険を検討している人は、ぜひ一度ご検討ください。
※メディコムプラスはセコム損保の商品で、当社の医療保険とセットでご加入いただく保険です。
がん治療の場合、公的医療保険の対象となる治療法なら支払えないほど高額な金額ではありません。
ただし、がん治療は治療が長引きやすく、長引くほど治療にかかる費用は高額になります。
また、がん治療においては、先進医療や自由診療などの公的医療保険の対象外となる治療法も検討することもあるでしょう。
病気のなかでも治療が長引きやすいがんには、専用のがん保険でそなえておくことで、安心して日々を過ごせるのではないでしょうか。
2025年06月11日
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