保険お役立ちコラム
目次
傷害保険とは、ケガによって生じた治療費や通院・入院費、手術費を補償する保険です。
「傷害保険」という名前のとおり、ケガに対する保険であり、病気は補償対象外です。
医療保険と傷害保険は、カバーされる補償範囲に違いがあります。
医療保険とは、基本的には病気やケガによる入院や手術にかかる医療費を保障する保険です。そのため、特約等がない限り、一般的に通院にかかる費用は保険金の支払対象になりません。
一方、傷害保険では通院1日目から保険金が支払われます。
骨折や捻挫、擦り傷など、入院が必要ないケガの場合、医療保険では保険金支払の対象となりませんが、傷害保険ではカバーされます。ただし、傷害保険はケガを補償する保険のため、病気による入院や手術は対象外となります。
傷害保険で支払対象となるケガは、「急激」、「偶然」、「外来」の3つの要件を満たすものです。それぞれの要件について詳しく見ていきましょう。
急激な事故とは、突発的に発生した事故のことを指します。ケガの原因となった事故から、ケガに至るまでのタイムラグがないものになります。
偶然な事故とは、事前に予知できない事故や、自らの意思に基づかず偶然によって生じた事故のことです。
外来的な事故とは、「身体の外で起きた事故」のことです。ケガの原因が外部からの作用によっている事故が、支払対象となります。
急激・偶然・外来の要件を満たす事故は、予測が難しく、個人の予防策だけでは対応しきれないケガとなります。傷害保険は、こうしたリスクに備えるための重要な保険です。
傷害保険には、「危険な運動によるケガ」など、保険金が支払われないケースがあります。保険金が支払われないケガのケースについて見てみましょう。
「急激」を満たさないケガは、疲労骨折や靴擦れなどです。これらのケガは日々の継続的な積み重ねによって生じたケガのため、「急激」の要件を満たしていません。
「偶然」を満たさないケガは、たとえば「もともと腕が痛かったけれど無理をしてテニスをしたら悪化してしまった」というケースです。「事前に予知できない」という要件を満たさないので、補償の対象にはなりません。
「外来」を満たさないケガは、病気や心臓発作のように、体内で起こったことが原因のケガを指します。
危険な運動によるケガとは、スカイダイビングやハンググライダーなどの危険なスポーツや遊びを行ってケガをした場合を指します。危険なスポーツや運動によるケガは保険の支払対象外となります。
犯罪行為によって生じたケガは、保険金支払の対象外となります。犯罪行為や違法行為を行っている最中にケガをした場合、保険金は支払われません。
酒酔い運転や無免許運転によって引き起こされたケガは、保険金の対象外です。
ほかにも、「細菌性食中毒やウイルス性食中毒」や「地震によって生じたケガ」なども保険金は支払われません。
傷害保険加入時には、各保険会社の約款や支払対象外となるケースをよく確認しましょう。
傷害保険には用途に応じてさまざまな種類があります。代表的な傷害保険の種類と特徴について解説します。
普通傷害保険は、もっとも基本的な傷害保険で、日常生活におけるケガを補償します。通勤や通学中、自宅の中、スポーツやレジャーなど、日常生活で起こりうるさまざまな事故に対応しています。
人身傷害保険は、自動車保険に含まれる保険です。車の運行を原因とする事故によって負ったケガを補償する保険となっています。
家族傷害保険は、普通傷害保険の保険対象者の家族が負ったケガを補償する傷害保険です。家族分の保険が1つの契約でカバーされるため、個別に加入するよりも管理がしやすく、保険料が抑えられるというメリットがあります。
補償対象となる家族には、一般的に本人と本人の配偶者、本人または配偶者と生計をともにしている同居の親族、別居している未婚の子が含まれます。
国内旅行傷害保険は、日本国内旅行中に発生したケガを補償する保険です。旅行中に起こりうる、観光やレジャーでのケガ、交通事故、宿泊先でのトラブルなど、さまざまなリスクに対応しています。ただし、旅行先での病気は補償されません。
海外旅行保険は、海外旅行中に生じたケガを補償する保険です。国内旅行傷害保険と同様に、旅行中に起こり得るリスクに対処するための補償がありますが、海外特有のリスクにも対応しています。
たとえば、急な病気やケガによる医療費、航空機の遅延による損害、荷物の紛失や盗難など、海外でのさまざまな状況に対処するための補償や特約が含まれたプランも用意されています。
傷害保険で受け取れる保険金の計算方法は、基本的に以下のとおりです。
通院補償 | 通院保険金日額×通院日数 |
入院補償 | 入院保険金日額×入院日数 |
手術補償 | 入院保険金日額×決められた倍率 |
死亡補償 | 死亡後遺障害保険金額の全額 |
後遺障害補償 | 死亡後遺障害保険金額×所定割合 |
傷害保険には「通院補償」や「入院補償」などの補償があります。それぞれの補償内容について説明します。
通院補償とは、ケガの治療のために医療機関へ通院する必要が生じた場合に、通院保険金が支払われる補償です。通院補償は支払限度日数が定められています。
入院補償とは、ケガによって入院が必要となった場合に、入院保険金が支払われる補償です。通院補償と同じく、支払限度日数があります。
手術補償とは、ケガによって手術が必要となった場合に、定められた手術保険金額が支払われる補償です。1つの事故につき1回の支払いなどの制限がある場合があります。
死亡補償とは、被保険者がケガによって死亡した場合に支払われる保険金です。
後遺障害補償とは、ケガによって被保険者が後遺障害を負った場合に、その障害に応じた割合の保険金が支払われるものです。後遺障害の程度に応じて障害等級が定められ、障害等級に基づいて保険金額が決定されます。
これらの補償内容は、傷害保険の基本的な補償ですが、保険会社や保険商品によっては、さらに細かい補償項目や特約が設定されていることがあります。
傷害保険を選ぶ際には、ケガの補償範囲や補償対象者をチェックしましょう。
ご自身に合った傷害保険を選ぶことで、安心して日々の生活を送ることができます。傷害保険を選ぶ際のポイントについて詳しく説明します。
傷害保険を選ぶ際には、どのような事故やケガに対して補償が受けられるかを確認することが重要です。ご自身のライフスタイルや趣味、職業に関連するリスクを考慮し、適切な補償範囲の傷害保険を選びましょう。
傷害保険には、保険の対象が本人だけでなく、家族など特定の対象者に対する補償が含まれていることがあります。ご自身のニーズに応じて、保険対象者の範囲が適切であるかを確認しましょう。
補償金額は、ケガによる損失をカバーするために重要となります。ご自身や家族が十分な補償を受けられるよう、適切な補償金額を設定することが大切です。
また、傷害保険では、特約やオプションによって、補償内容や範囲をカスタマイズすることができます。
たとえば「個人賠償責任補償特約」や「休業補償」といった特約を用意している保険会社もあります。これらの特約は、賠償責任負担時やケガによる仕事休業時など、具体的な状況に応じた補償を提供するものです。
必要な特約やオプションを確認して、適切な保険商品を選びましょう。
2023年11月01日
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