19

神奈川県平塚市平塚信用金庫


湘南支社お客さまアドバイザー

もっと、地域を良くしたい!
熱い想いが、人と人をつないでいく。

2023年の創業100周年に向け、「THE MUTUAL(ザ・ミューチュアル)-次代の"相互扶助"を考える-」というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいます。「THE MUTUAL」とは共感・つながり・支えあいをベースとした、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のことです。

今回、湘南支社のお客さまアドバイザーが訪れたのは、神奈川県平塚市に本店を置く「平塚信用金庫」。信用金庫は、地域の資金を地元の人たちへ還元することで、地域社会の繁栄を図る、“相互扶助”を目的とした金融機関です。

平塚信用金庫は、「ともに歩みつづける ~街のベストパートナー ひらしん~」をキャッチフレーズに掲げ、地域社会の発展のために尽力されています。同金庫の地域・経営サポート課では、地域の人や企業と手を取り合いながら、時には本業の枠を超え、さまざまな活動に取り組んでいます。
平塚信用金庫の地域・経営サポート課の猪股裕さんに、地域への想いや、日々取り組まれている地域支援活動についてお話を伺いました。

image

平塚信用金庫 地域・経営サポート課の猪股さん(左)。こちらからの質問に、一つひとつ丁寧に答えてくださいました。

思わぬ出会いから生まれたつながりが、
地域を元気にする。

お客さまアドバイザー(以下、お客さまAD) わたしたちフコク生命も、平塚信用金庫さんと同じように、地域の人の力になりたいという想いを持っています。みなさんは、普段どのような地域支援活動をされているのでしょうか?

猪股さん(以下、猪股) 地域・経営サポート課の地域支援活動は、自治体と連携して行うことが多いです。地域がどんな課題を抱えているのか、どのように解決していくべきかについて自治体と対話をしながら、わたしたちにできることを模索しています。
また、2021年からは新しい活動として、平塚市の活性化を目的とする「中心市街地活性化推進事業」という任意団体にオブザーバーとして参加し、地域の人たちと一緒に、地域の未来について考えています。

そのほかにも、地域活性化を目的としたイベントを、地元の中小企業をはじめとした事業者さんと一緒に開催することもあります。本業が忙しく手が回らない事業者さんに代わり、企画立案や予算の組み立てなど、プロデューサーのような立場で、イベントをつくりあげています。

お客さまAD 地域の人たちと協力しながら、さまざまな活動をされているのですね。
2021年10月に、地元の平塚農商高校、平塚市、平塚信用金庫のお客さまと「みんなのマルシェ」を開催されたとお聞きしました。コロナ禍という厳しい環境下において、対面でのイベントの開催に踏み切った、経緯や想いをお聞かせください。

猪股 「みんなのマルシェ」は、当金庫のお客さまから「農業分野で、なにか新しい取組みをしたい」というご相談をいただき、平塚農商高校さんをご紹介したことがはじまりでした。ビジネスの関係を前提としない地元の農商高校とのつながりから、なにか面白いことが生まれるのではないかと考えました。
その中で、平塚農商高校さんから「新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、お花やお米などを一般の方に販売する生産物即売会や、部活動のイベントがすべて中止になっている」というお悩みを伺いました。学生生活を思うように過ごせない学生さんたちのため、思い出に残るイベントを開きたい。そんな想いで企画したのが「みんなのマルシェ」です。当金庫のお客さまと一緒に、平塚農商高校さんをサポートさせていただく形で開催しました。平塚市のご協力のもと、対面のイベントとして開催できたことで、学生さんたちが地域の人と直接交流する機会となり、地域の活性化につながったと感じています。

お客さまAD 平塚信用金庫さんがつないだご縁から実現したイベントだったのですね。学生さんたちもうれしかったでしょうね。

猪股 そうだといいですね。わたしたちにとっても、新たな一歩を踏み出せたと感じる思い出深いイベントとなりました。

image

地域の人と交流を深めた「みんなのマルシェ」。写真は、高校生たちが育てた農作物でつくったジャム。

「金融マンっぽくないね」。
その言葉が、親しみの証。

お客さまAD 「みんなのマルシェ」以外にも、地域の人が物販や出し物を披露する「湘南スターモール商店街ハッピープロジェクト」などを主催されていますが、こうしたイベントを開催することの周囲の反応はいかがでしたか?

猪股 最初は、厳しい意見が多かったですね(苦笑)。「金融機関にとって、イベントの企画・運営は業務外ではないか」といった声もありましたが、わたしはイベントを開催することが地域の人たちのためになると信じていましたし、新しいことにチャレンジすることで、現状を変えていきたいという気持ちもありました。
風向きが変わったのは、イベントの開催を重ね、実績ができてきた頃です。当金庫の職員にも、イベントは地域の活性化につながる活動であり、人と人が直接交流できる場所は必要だと感じてもらえたことで、今ではイベントの開催を応援してもらえるようになりました。

お客さまAD 猪股さんの地域支援活動へのバイタリティを見習いたいです。地域への想いが強くなったきっかけは、何かあったのでしょうか。

猪股 「自分にも、地域を盛り上げることができる」と思えたからです。そう思えたのは、地域のために何かしたいと考える全国の自治体職員と金融機関職員が集い、語り合う「ちいきん会」に参加したことです。多くのビジネスパーソンに出会い、未来を拓くためのアイデアを語り合いました。中には、「地域支援活動を通して日本を変えたい」と語る熱い想いを持った人もいて、自分にも地域を変えることができるのではないか、信用金庫で働いているからこそできることがある、と思えるようになりました。「ちいきん会」でのたくさんの人との出会いは、わたしにとって大きな転機でした。そこで生まれた熱い気持ちを、少しずつ周りの人に伝播させていき、地域をもっと盛り上げていきたいですね。

お客さまAD 同じように地域の力になりたいと考える人との出会いが、猪股さんの活動の原動力になったんですね。これまでの活動の中で、印象深かったことはありますか?

猪股 地域の人から、「金融マンっぽくないね」と声をかけていただいたことです。わたしたちは事業者さんにとっては身近な存在ですが、事業を営んでいない地域の人にとっては、縁遠い存在になりがちです。そのような中で、プロデューサーとして地域の人たちが交流できるイベントの企画を実施したことで、身近に感じていただけたのだと思います。「金融マンっぽくないね」という言葉に親しみが込められている気がして、とてもうれしくなりました。

image

全国の自治体職員と金融機関職員が集い、地域について語り合う「ちいきん会」。

「街のベストパートナー」になるため、
人との関係性づくりを大切に。

お客さまAD 「ひらしん美味しいものセレクションMAP」では、若手職員の方々が中心となって、地域のおすすめグルメをチラシやインターネットを通じて紹介していると伺いました。こちらの取組みについて教えてください。

猪股 地域を応援したいという想いから、当金庫の若手職員が「地域レポーター」として飲食店をめぐり、おすすめのグルメ情報を紹介しています。直接お店に足を運ぶからこそ知ることができる魅力があり、Face to Faceのつながりは大切だなと改めて感じています。平塚を訪れる方だけでなく、地元の人たちにも、このマップを活用して地域のお店に足を運んでいただき、平塚ならではのお店に愛着を感じていただけたらうれしいです。

お客さまAD わたしたちも、「ひらしん美味しいものセレクションMAP」に掲載されているお店をぜひ訪ねてみたいと思います。
平塚信用金庫さんは、さまざまな活動を通して地域支援に尽力されていますが、「街のベストパートナー」となるために、今後どういったことを大切にしていきたいですか?

猪股 一般的な金融機関のイメージを脱却し、平塚信用金庫が地域に寄り添う存在だと思っていただけるようになりたいですね。そのために地域の人とのつながりを大切にしていきたいです。地域の課題をだれかひとりの力で解決することは難しいと思います。だれかが壁にぶつかったとき、声を掛け合える関係性を築けていると、相談したり、協力したりと、解決に向けて一歩前進できると考えています。

image

平塚信用金庫の若手職員がおすすめするグルメ情報を掲載した「ひらしん美味しいものセレクションMAP」。
こちらからご覧いただけます。

有言実行の積み重ねが、信頼につながる。
地域のプロデューサーとして、イベントをつくり続けたい。

お客さまAD 猪股さんは幅広い世代の方と交流があると思いますが、信頼されるために大切にしていることはありますか?

猪股 言葉だけでは信頼されないので、しっかり行動に移すことを心がけています。たとえば、コロナ禍であってもイベントを実現するにはどうしたらいいかを真剣に考え、着実に形にしていくことを大切にしています。「言ったことを、ちゃんと実行してくれる人だ」と思っていただけると、なにかあったときに相談をもちかけてくれたりと、頼りにしてもらえるようになります。

お客さまAD 「行動すること」は信頼につながりますよね。わたしたちフコク生命も、みなさんと同様に、地域活性化のために行動していきたいと考えています。この先ご協力できそうなことや、一緒に活動できることがあれば、ぜひお声かけください。

猪股 地域課題を見える化し、解決に近づくためのアイデアを出し合うワークショップを地域の事業者さんと実施することがあるのですが、フコク生命さんにも参加いただけるとうれしいです。わたしたちの考える地域の課題と、事業者さんの抱える課題が食い違うことがあります。そうした食い違いを知ることも、地域課題の解決に向けた一歩だと感じています。一緒に語り合う場をつくることで、地域の課題を共有し、それぞれにできることが見えてくるのではないでしょうか。

お客さまAD ぜひ、そういった場をつくりたいですね。地域に根ざす金融機関同士、協力できることがあれば、なんでもお声がけください。

最後の質問となります。猪股さんはこれからの時代、心豊かに暮らしていくために、人と人の関係はどうあるべきだと思われますか。また、ご自身はどうありたいとお考えですか。

猪股 人と人の関係は、隣近所のことが何となくわかっていた昔のように、戻ってもいいのかなと思います。お隣さんは何人家族なのか、ということすらわからない世の中が、少し寂しいなと思うことがあります。ただ、急に昔のようにとはいかないと思うので、まずは挨拶など、小さなコミュニケーションから大切にしていきたいです。挨拶からはじまり、人と対話をする機会や、助け合える関係性が増えていくと、地域の暮らしがもっと豊かになると思います。

そういったコミュニケーションの機会を増やすためにも、地域のプロデューサーとして、イベントの企画・運営はこれからも積極的に続けていきたいです。たとえば、第2日曜日を「みんなのマルシェの日」として毎月開催するなど、たくさんの人が楽しく交流できる場を定期的に設けて、人と人とがつながるお手伝いをできればと思います。

image

編集後記

湘南支社 お客さまアドバイザー

お話を伺って素晴らしいなと感じたのは、猪股さんの行動力です。地域の人たちの元に直接足を運び、さまざまな人たちを巻き込みながら、「地域を盛り上げたい」という想いを着実に実現させていく。まさに地域のプロデューサーとしての役割を果たされていることに感銘を受けました。
また、困難な状況だからこそ新しいことにチャレンジする前向きな姿勢も見習いたいです。新型コロナウイルス感染拡大の長期化で、対面でコミュニケーションを取ることが難しいところもありますが、お客さまに信頼しつづけてもらえるよう、デジタルツールなども活用してご縁をつなぐ努力をしていきたいと思います。

※マスクを着用していない写真は、撮影時のみ外して撮影しています。

▲