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福岡県応援ヒーロー「ガンバ李α」・応援忍者「ガイ」


福岡支社

人と人をつなぐ、
ヒーローになりたい。

2023年11月22日の創業100周年に向け、「THE MUTUAL(ザ・ミューチュアル)-次代の"相互扶助"を考える-」というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいます。「THE MUTUAL」とは共感・つながり・支えあいをベースとした、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のことです。

今回、福岡支社の職員がお話を伺ったのは、応援ヒーロー「ガンバ李(がんばりー)α」と応援忍者「ガイ」として活動する吉田和宏さんと理恵さんのご夫妻。お二人は着ぐるみを着用して演技するスーツアクターのキャリアを活かし、2021年から福岡県粕屋町を拠点に応援ヒーローとして活動しています。長引くコロナ禍の中、和宏さんの「誰かの役に立ちたい」との想いで誕生した応援ヒーロー「ガンバ李(がんばりー)α」。応援を意味する博多弁の「頑張りい」と、尊敬するブルース・リーの名前を掛け合わせて命名。右の拳を突き上げ、「応援ヒーロー ガンバ李!」と叫ぶのがきめポーズ。理恵さん扮する応援忍者「ガイ」とともに地域の様々な行事に出向きヒーローショーで会場を盛り上げながら、助けが必要な人への思いやりの大切さを伝えています。吉田さんご夫妻に、活動への想いや取組みについてお話を伺いました。

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左から、応援ヒーロー「ガンバ李α」の和宏さんと応援忍者「ガイ」の理恵さん

応援することで、
誰かの力になりたい。

職員 吉田さんご夫妻が、現在の活動を始めたきっかけをお聞かせください。

吉田和宏さん(以下、和宏) わたしが応援ヒーローの活動を始めたのは、2021年の2月です。コロナ禍でイベントが中止となり、ヒーローショーの仕事が減っていた時期です。スーツアクターの活動ができず、もやもやしていた時に「こんな時だからこそ誰かの役に立ちたい」と応援ヒーロー「ガンバ李α」に扮し公園のごみ拾いを始めました。最近では少しずつ「ガンバ李α」の存在や活動を知ってもらい、地域のイベントに呼んでいただいたり、テレビに取り上げていただいたりしています。

吉田理恵さん(以下、理恵) 当初は主人の活動に反対していました(笑)。今では、応援忍者「ガイ」に扮して主人の活動を応援しています。「ガイ」は黒い衣装に身を包み、一見怖そうな雰囲気があります。これには、人は見かけによらない、ということを伝えたいという想いが込められています。

職員 「応援」をコンセプトとするヒーローにされたのは、何か意図があったのでしょうか?

和宏 コロナ禍で孤独になっている人が増えているように感じていました。そんな時に「ひとりじゃないよ」「大丈夫だよ」と応援されたら心強いのではと考えました。コロナを倒すことはできないけれど、コロナに負けないよう応援することはできる。ただのおじさんより、ヒーローに応援される方が心強い。「応援することで、誰かの力になりたい」という想いで、応援をコンセプトに活動しています。

職員 これから、どのような活動をしていきたいとお考えですか?

和宏 コロナの状況が落ち着いたら、地域のイベントに積極的に参加していきたいです。YouTubeチャンネルも開設しましたので、どんどん露出を増やしていき、世の中を少しでも応援できるように活動していきたいです。フコク生命さんも様々なイベントを開催されているので、ぜひ参加させていただきたいです。

職員 是非、ご一緒させてください。

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様々な行事で活躍する応援ヒーロー「ガンバ李α」

人が安心して生きていくためには、
コミュニケーションが大切。

職員 ヒーローショーの中で、「耳マーク」や「ヘルプマーク」を紹介されていると伺いました。こちらの取組みについてお聞かせください。

和宏 わたしたちが「耳マーク」を知ったのは、次男の守李(しゅり)が生まれつき聴覚に障がいを持っていたからです。聴覚障がいは、外見から障がいのあることを判断されづらく、つらい思いをすることがあります。「耳マーク」は聴覚障がい者の代わりに聞こえないことや聞こえにくいことを伝え、聴覚障がい者の存在と立場を社会に認知してもらうためのマークです。残念ながら「耳マーク」の認知度は低く、何を意味するマークなのか理解してもらえないことが多くあります。「耳マーク」を、より多くの人に知ってもらうことが守李や聴覚障がい者の方々の助けになると思い、ヒーローショーのアクションに「耳マーク」を取り入れるようになり、現在は「ヘルプマーク」も紹介しています。「ヘルプマーク」は、義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている方々が、周囲に配慮を必要としていることを知らせることで援助を得やすくなるよう、作成されたマークです。2022年には「ヘルプマーク」の認知度向上を目的として、クラウドファンディングで寄付を募り富士登山にチャレンジしました。登頂には成功しましたが、天候不良のため思うように「ヘルプマーク」のアピールができなかったので、またチャレンジしたいと考えています。

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「耳マーク(左)」と「ヘルプマーク(右)」

職員 当社営業所の窓口に「耳マーク」を掲げ、筆談等の対応が可能であることを示していますが、マークの意味を正しく理解している職員は少ないかもしれません。わたしたちも「耳マーク」や「ヘルプマーク」の認知度を高めていくことで、助けが必要な人が援助を得やすくなるような社会づくりに貢献していきたいと思います。

和宏 助けが必要な人であることを伝えるマークへの認知度が高まれば、誰もが安心して暮らせる社会になると思います。

職員 守李君のために発案されたランドセルカバーを拝見しました。このランドセルカバーには、どのような想いが込められているのでしょうか?

和宏 小学校入学に合わせ、「耳マーク」がついたランドセルカバーを用意しました。難聴の守李には、このマークが最も大切です。障がいがあることを周りの人に伝えることが、守李から危険を遠ざけることになります。いざランドセルカバーをつけたランドセルを背負って登下校してみると、「このマークは何?」と声を掛けていただけたのです。ただ、その声に守李が反応できないことがあり、「無視をされた」と誤解されることがありました。声を掛けていただいた方と守李が意思疎通するには、「耳マーク」だけでは情報が不足していたのです。友達や地域の方に守李と関わって嫌な思いをしてほしくないですし、守李にはたくさんの人とコミュニケーションをとってほしいです。そこで、妻の発案で「話しかけるときは①肩をたたく②大きな声で」という、守李への話しかけ方を説明する文とイラストを加えました。今では、登下校で出会う人と「おはよう」と挨拶を交わすようになり、安心して見送ることができています。人が安心して生きていくためには、コミュニケーションが大切だということに改めて気づかされました。

職員 わたしたちがFace to Faceの営業を基本にしているのも、お客さまとのコミュニケーションを大切にしているからです。これからもコミュニケーションを大切にしながら、お客さまに安心をお届けしていきたいと感じました。

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「耳マーク」「ヘルプマーク」とともに「話しかけるときは①肩をたたく②大きな声で」という、守李君への話しかけ方を説明する文とイラストが大きく表示された手作りのランドセルカバー

人と人のつながりを広げ
世の中を明るくしたい

職員 守李君には、どのように成長してほしいですか?

和宏 守李は、まだ小学生です。耳が聴こえにくいことを、障がいと受け止めているかもわかりません。成長していく過程で、耳が聴こえにくいことに悩むかもしれません。でも、守李には手話が使えるという特技があります。障がいがあることをマイナスに捉えず、個性だとプラスに考えられる人へと成長してほしいです。

理恵 主人が言ったように、耳が聴こえづらいことを悲観的に捉えないでほしいです。守李には「あなたは生まれつき耳が聴こえづらいのよ、それはあなたの個性なのよ」と伝えています。守李は天真爛漫で、明るく楽しそうに小学校に通っています。友達や先生から「守李君から元気をもらっている」と声を掛けていただくと、とてもうれしい気持ちになります。これから思春期を迎えて難しい場面に出会うかもしれませんが、それを受け入れ、乗り越えていってほしいです。そして、同じような立場で苦しんでいる人に手を差しのべられる、思いやりのある人に成長してほしいです。

職員 「THE MUTUAL」という言葉には、これからの時代、人が心豊かに暮らしていくためには人と人のつながりこそが大切であり、そのつながりをつくっていきたいという、わたしたちの想いが込められています。吉田ご夫妻の活動にも、共通の想いがあるように感じます。これからの時代、人と人のつながり方はどうあるべきでしょうか?どのような“支えあい、助けあい”が必要だと思われますか?

和宏 自分自身が関心のあること以外に目を向けることが減っているように感じます。もっと外の世界に目を向けたらよいのではないかと思います。昔がよかったと言うつもりはないですが、わたしが子どもの頃は、見ず知らずの大人に声を掛けてもらったり、時には注意してもらったりすることがありました。様々な人と言葉を交わすことで、人として成長できたように感じています。応援ヒーロー「ガンバ李α」の活動を通して、人と人のつながりを広げていければと思っています。時には、無視されることもあります。ただ、それで心折れずに、この活動を続けていくことが大事だと思っています。わたしたちはヒーローですから、負けるわけにはいきません。

理恵 この活動を始めてから、病気や障がいを抱えている方、そのご家族と触れ合う機会が増えました。病気や障がいをマイナスなことと捉えている方を見るのは非常につらく悲しくなります。わたしたちにできることは、応援することだけかもしれません。ただ、ヒーローショーを見ていただいた方に笑顔になっていただけると、この活動をしていて本当によかったと思います。目の前にいる人が笑顔になれるよう思いやりを持って接していくことが、人が心豊かに暮らしていく社会をつくっていくのではないのでしょうか。

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吉田さんご夫妻へインタビューする福岡支社の職員(右から 加藤支社長、松尾営業総合職、八木副長)

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編集後記

福岡支社

「応援することで、誰かの力になりたい」という想いで、世の中を少しでも明るくしようと活動されている吉田夫妻に大変共感しました。当社はお子さまや子育てパパママを応援するコミュニティ「フコク赤ちゃん&キッズクラブ」を運営していますので、応援ヒーロー「ガンバ李α」と応援忍者「ガイ」とともに親子で楽しめるイベントをいつか開催できたらなと思います。
そして、障がいのある息子さんの存在を通して、誰もが安心して暮らせる社会には人と人のコミュニケーションが大切だということに気付かされたというお話がとても心に残りました。フコク生命は「人と人の間に」をコーポレートメッセージとして掲げています。「人と人の間に」存在するために、地域に密着しFace to Faceの活動を続けていけば、人と人のつながりを生み出していけるのではと思います。
わたしたちはヒーローではないですが、困っている人や助けが必要な人をそっと支えてあげられる存在でありつづけたいという想いを強くしました。

※マスクを着用していない写真は、撮影時のみ外して撮影しています。

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