「ご契約者本位」という想いのもと、1923年に相互会社として創業されたフコク生命。創業以来、フコク生命の基盤を支え続けてきたのは、全国に470以上ある営業所と、その営業所で働く1万人を超える職員たち。その中でも、歴史が長く、多くのお客さまの保険をお預かりしているのが池袋支社保谷営業所と横浜支社鎌倉営業所だ。
そして、それぞれの営業所で中心的な役割を果たしてきたお客さまアドバイザーが、保谷営業所の佐藤雅子(さとう まさこ)と鎌倉営業所の狩野美智子(かのう みちこ)だ。
お客さまや仕事に対する二人の姿勢は、営業所で働く職員たちへ自然と伝播し、営業所のDNAとなっている。そのDNAは、いかにして生まれ、いかにして受け継がれてきたのか。100周年プロジェクト社史外伝チーム(※1)のメンバーが聞いた。

※1 100周年プロジェクト社史外伝チーム
2023年に創業100周年を迎える当社は、「THE MUTUAL」(ザ・ミューチュアル)というコンセプトのもと、100周年プロジェクトに取り組んでいる。「THE MUTUAL」とは、共感・つながり・支えあいをベースとした、次の100年に向け進化する次代の相互扶助のこと。社史外伝チームは、年表では読み取れない役職員の心情や熱意を深掘りし、その想いを語り継ぐべく記録として遺す。

保谷営業所のDNA

長年にわたり全国トップクラスの成績を残し続けてきた池袋支社保谷営業所。歴史と伝統ある保谷営業所の発展に尽力してきたのがお客さまアドバイザーの佐藤雅子だ。佐藤はフコク生命に入社以来、45年もの間、営業のトップランナーとして歩み続け、100名以上の営業職員の採用と育成に携わってきた。佐藤がお客さまと接する際に大切にしてきたこと、そして、共に歩み続けてきた職員たちに伝えてきた想いとは。

お客さまも職員も“家族”

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佐藤
私が大切にしてきたのは、人とのつながりです。
保険をご提案する際は、お客さまのことをよく知ることはもちろんですが、私という人間を知っていただくことを大切にしてきました。なぜなら、私たちのお付き合いはとても長くなるからです。ですから、私にとってお客さまは“家族”と言えます。お客さまに私のことを知ってもらい、これから長くお付き合いできるかをご判断していただいてから、保険にご加入いただきます。そうでないと、お客さまへの責任を果たせません。お客さまは“家族”ですから、もし困っていたり悩んでいたら、保険以外のことでもできる限りのお手伝いをします。それは、私にとって当然のことです。
保谷営業所の職員たちも私にとって“家族”です。新しく入社する職員には、親が子どもに抱く気持ちのように愛情を持って接してきました。ときには注意やアドバイスをします。協調性、気配り、礼儀正しさ、真面目さ…、挙げればきりがありませんが、人としての基本はしっかりと伝えます。保険の営業職員である前に人としての基本を大切にすること。それが保谷営業所のDNAだと思います。

お客さまも職員も“家族”という佐藤雅子。佐藤は保谷営業所の職員たちにとって、どんな存在なのだろうか。現在も保谷営業所に所属するマネージャー 佐々木美帆(ささき みほ)と、保谷営業所長を3年にわたり務めた宇都宮支社副支社長 田村幸則(たむら ゆきのり)に、佐藤のこと保谷営業所のことを聞いた。

人としての基本を大切にする

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佐々木
私が雅子さんと出会ったのは、フコク生命に入社する前に別の会社で働いていたとき。保険会社の営業職員さんなのに、「休憩中は飴をなめてリラックス!」とか、保険の話をしない人だなというのが最初の印象でした。とにかく明るくて、いろいろな人に声をかける。でも、不思議としつこくは感じないんですよね(笑)。何故かとても愛情を感じました。そんな雅子さんから誘っていただきフコク生命に入社。とても不安でしたが、アットホームな雰囲気で温かく迎え入れていただきました。そのときのことは今でも鮮明に憶えています。私にとって保谷営業所は“家”のような存在。そういう意味では、雅子さんは“母”ですね。
保谷営業所が大切にしてきたのが、人としての基本である挨拶です。雅子さんが、「おはよう、お帰り、いってらっしゃい、おつかれさま、ありがとう」といった、一つひとつの挨拶を大切にしている姿を間近に見て、私自身も学んできました。こうした人としての基本を大切にすることは、職員が増え営業所が大きくなっても受け継いでいきたい保谷営業所自慢のDNAです。

心配り気配りができるスーパーチーム

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田村
2016年から2018年の3年間、営業所長として在籍していました。就任当初、全国トップクラスの成績を残し続ける保谷営業所は、保険営業のエリート集団だと思っていました。しかし実際は、個々がスーパースターとして活躍している訳ではない。心配り気配りができる他者への思いやりを持った人たちが集まるスーパーチーム。それが保谷営業所の真実の姿でした。そのチームの中心にいたのが雅子さんです。
雅子さんを一言でいうと、保谷営業所の“母”ですね。雅子さんは、本当に曲がったことが嫌いです。お客さまや職員の垣根を超え、その人の力になりたいという想いが強い。誰に対しても真摯だから、信用できる。保谷営業所の職員たちは、その姿勢を見ているので、そうした雅子さんのイズムを自然と引き継いでいるのだと思います。だから、“母”なんですよね!私自身も雅子さんに、たくさん助けていただいたし、いまでも親しみを込めて「お母さん」と呼んでいます。
保谷営業所のDNAは、人間関係を何よりも大切にすることです。それは、雅子さんの姿勢が大きい。お客さまからの申し出には、どれだけ忙しくてもすぐに真摯に対応する。こうした姿勢や行動を見てきた職員たちが、それを当たり前のこととして実践しているから、DNAとして受け継がれているのです。

お客さまも一緒に働く職員も家族と言う佐藤雅子が思う、次の100年に遺していきたいフコク生命のDNAとは。

佐藤
保谷営業所は、お客さまや仲間、他者のために行動できる、助け合い支えあいの心を持った人たちが集うチームです。何よりも人間関係を大切にし、お客さまや職員と“家族”のようなつながりをつくってきたから、ここまで発展できたのだと思います。
お客さまに何かあった際に、ご自身やご家族の確かな支えとなるのが生命保険です。本当に人のためになる仕事ですから、誇りを持って取り組んでいます。
保険の仕事に誇りを持ち、思いやりや感謝の気持ちを忘れず、何事にも真摯な気持ちで取り組んでいけば、この先100年もフコク生命は発展していける、そう確信しています。

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鎌倉営業所のDNA

フコク生命を代表する名門横浜支社鎌倉営業所。鎌倉営業所のみならず、フコク生命において唯一無二の存在として知られるのがお客さまアドバイザーの狩野美智子だ。狩野は44年にもわたり全国トップクラスの営業成績を残し続けている。多くのお客さまアドバイザーが、その背中を追い続けてきた。狩野が大切にしてきたお客さま、そして鎌倉営業所への想いとは。

笑顔になれる関係を築く

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狩野
日頃私が心がけていることは、自然と笑顔が生まれるような良好な人間関係を築くことです。
まずは、私のことを知っていただきます。保険にご加入いただいてから、お客さまとの長いお付き合いがはじまります。距離が縮まり、信頼していただけるようになってから保険をご提案しています。そのための時間はしっかりつくるようにしています。冗談もよく言いますし、1オクターヴ高い声で話すように意識しているのも、お客さまに明るい気持ちになっていただきたいから。良好な人間関係を築くことを、大切にしています。
その想いは、鎌倉営業所の皆に対してもですね。長い時間を共に過ごすわけですから、お互いに笑顔になれるような関係がいいですよね。誰かに言われたからでなく、自然と助け合うことができる。それができるのが、鎌倉営業所の特長であり、私が理想とするところです。本当に優しく思いやりに満ちた人ばかり。団結力と雰囲気の良さはどこの営業所にも負けないと思います。
私が45年働き続けてこられたのも、お客さまや職員をはじめ多くの人に支えられてきたからです。人と人のつながりが大切だと改めて思います。

長きにわたり全国トップクラスの実績を残していながら、「何も特別なことはしていない」と言う狩野の姿を同僚たちはどう見てきたのか。鎌倉営業所 マネージャーの大江光里(おおえ みさと)と鎌倉営業所長を務め現在は業務部課長の嘉数良之(かかず よしゆき)に、狩野のこと鎌倉営業所のことを聞いた。

互いに助け合う、その想いをつないでいく

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大江
狩野さんは、本当に気遣いができる人です。給付金の請求時には、迅速に対応するのはもちろんですが、お客さまをイメージした色の折り鶴に一言を添えて書類をお渡ししています。季節のご挨拶も欠かさない。そうした心配りが自然とできるので本当に尊敬していますし、その姿勢は受け継いでいきたいと思います。
鎌倉営業所の精神的支柱として一人ひとりをしっかりと見ていて、支えてくれています。私が悩んでいるときには、必ず声をかけてくれます。「元気ないね、どうしたの?」「大丈夫だよ、頑張ろう」と。余計なことを言わない。でも、確実に元気づけてくれますね。
狩野さんをはじめ先輩方が人との関係を大切にされてきたから、鎌倉営業所にはお互いに助け合うという文化が根付いています。鎌倉営業所は、まさに「THE MUTUAL」(ザ・ミューチュアル)そのものだと思います。

何事にも一丸となり取り組む

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嘉数
鎌倉営業所の所長に着任したのは30歳のとき。狩野さんとの初めての接点は着任前の挨拶で、営業所にかけた一本の電話。前所長が不在だったため、狩野さんが電話に出られ、「本当に皆が楽しみに待っています」と柔らかな声で、私を安心させるようにご挨拶していただいたのをよく憶えています。
狩野さんは気遣いと努力の人。本当に多くのことを学びました。お客さまへご提案する際は、誰よりも早く出社し、あらゆる想定をして様々なプランを用意する。全国ナンバーワンの営業職員にもかかわらず、若い職員たちと一緒に、商店街で職員採用のチラシを配る。こうした真摯な取組みや率先垂範する姿には感動すら覚えました。狩野さんは生命保険の営業職員であること、そして鎌倉営業所で働いていることにプライドを持っています。こうした仕事へのロイヤルティは、必ず伝播します。何事にも一丸となり取り組むという文化が鎌倉営業所に育まれているのは、狩野さんのそうした姿勢を多くの職員が間近で見てきたからだと思います。そして、それを自然と実践できているから鎌倉営業所は発展してきたのだと思います。この先100年も受け継いでいってほしいDNAですね。

多くのお客さまから慕われ、共に働く職員からも尊敬される狩野美智子。狩野自身は、人とのつながりに支えられてきたという。そんな狩野が考える、次の100年に遺していきたいフコク生命のDNAとは。

狩野
入社当時は事務員として、半年間だけアルバイトするつもりでした。もともと希望していなかった営業に携わることになり、当初は苦労もしました。ある会社の守衛さんに、「来社する営業の方で、あなたが一番きちんとした挨拶をされていますよ」と褒めていただいたことが大変嬉しく、自信になったことを今でも憶えています。同時に、「フコク生命の代表としてしっかりとした行動をとらなければ」「鎌倉営業所の皆に恥をかかせるようなことはしてはいけない」と想いを新たにした瞬間でした。このような想いは、鎌倉営業所の職員一人ひとりが胸の奥に抱いていることと思います。
フコク生命の営業職員として恥ずかしくない行動をとること、お客さまに感謝すること、営業所の仲間に感謝すること、そして、自分を支えてくれているすべての人に感謝すること。これが、鎌倉営業所に流れているDNAです。こうした心を忘れなければ、人と人のつながりは自然と生まれています。そうすれば、フコク生命は100年後もお客さまのお役に立つことができる。そう心から思っています。

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100年にわたり「お客さま基点」を実践してきたお客さまアドバイザー。その一人ひとりに、それぞれが大切にしている想いがある。その想いは共に働く仲間たちに自然と伝わり、受け継がれ、やがて営業所のDNAとなっていく。
フコク生命を代表する保谷営業所と鎌倉営業所。その根本にあるDNAとは、お客さまに、同僚に、そして生命保険営業という仕事に真摯に向き合うこと。実質的な創業者である第2代社長の吉田義輝(よしだ よしてる)が相互会社という会社形態にこだわったのも、「ご契約者本位」を徹底するため、生命保険事業者として真摯であることを何よりも大切にしたからだ。「ご契約者本位」という創業の想いは、わたしたちのDNAのひとつ。そして、このDNAを、共感、つながり、支えあいである「THE MUTUAL」として、これから100年先も受け継いでいく。きっと、そこに次代の相互扶助があると信じて。