介護が必要となったときの公的保障として、「公的介護保険」があります。
「公的介護保険」とは、所定の要介護(要支援)状態になったとき、支給限度額内であれば、介護サービスを1割の自己負担※ で利用できる制度です。対象になる年齢や条件を確認しましょう。
※一定以上の所得のある65歳以上の方は2割負担です。また、2018年8月からは、2割負担者のうち特に所得の高い層の負担割合は3割となります。
加齢を原因とする特定の疾病とは?
がん・関節リウマチ・初老期認知症・脳血管疾患など、16種類が認定されています。
がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
関節リウマチ
筋萎縮性側索硬化症
後縦靭帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症(アルツハイマー病、血管性認知症など)
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症(シャイ・ドレーガー症候群など)
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎)
両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
支給限度額を超えた分は全額自己負担です。
要介護度 | 身体の状態例 | 支給限度額 | 自己負担額(1割) |
---|---|---|---|
要支援1 | 日常生活の動作の一部(入浴・掃除など)に何らかの介助を必要とする。 | 50,320円/月 | 5,032円/月 |
要支援2 | 要介護1相当ではあるが、生活機能の維持改善の可能性が高い。 | 105,310円/月 | 10,531円/月 |
要介護1 | 日常生活の動作の一部や移動の動作などに何らかの介助を必要とする。 物忘れおよび理解の一部低下がみられることがある。 |
167,650円/月 | 16,765円/月 |
要介護2 | 日常生活の動作、食事、排泄などに何らかの介助や支えを必要とする。 物忘れおよび直前の動作の理解に一部低下がみられる。 |
197,050円/月 | 19,705円/月 |
要介護3 | 日常生活の動作、食事、排泄などに介助や支えを必要とする。 物忘れおよび問題行動、理解の低下がみられる。 |
270,480円/月 | 27,048円/月 |
要介護4 | 食事、排泄を含む日常生活全般が自分ひとりではほとんどできない。 多くの問題行動や理解の低下がみられる。 |
309,380円/月 | 30,938円/月 |
要介護5 | 食事、排泄を含む日常生活全般が自分ひとりではできない。 多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられる。 |
362,170円/月 | 36,217円/月 |
上記の支給限度額は標準地域のケースで、地域により差が生じることがあります。
要介護状態になったときにかかる費用は、「公的介護保険の被保険者かどうか」と「要介護状態になった原因」によって大きく変わります。
要介護2の状態に該当し、支給限度額相当の介護サービスを5年間(60ヵ月)受けた場合
公的介護保険制度の対象となるかどうかで、必要となる「ご自身での備え」は大きく異なります。
一定以上の所得のある65歳以上の方は2割または3割負担です。
このページに記載されている公的保障制度に関する記載やその他の制度・数値などは、2023年4月現在のものです。
公的介護保険制度は、介護する人のストレスや悩みを緩和するとともに、介護される人も、希望するサービスを選択して、できる限り自立した日常生活を送れるようにすることを目指しています。ただ、年齢によっては、制度の対象外であったり、要介護状態の原因に制約が設けられているので注意しておく必要があるでしょう。また、保障内容は現金ではなく、サービスであることも理解しておきたいところです。要介護状態に認定されても自己負担があるため、経済的な負担がゼロになるわけではありません。
要介護レベルによって支給限度額が定められていますので、より多くの介護サービスを受けたい方や、経済的負担をより軽減したい方などは、公的介護保険制度以外の備えも必要になるでしょう。
お客さまアドバイザー
川上 純子(FP2級保有者)
※2023年6月現在
5つのリスクがわかったら、次は保障の備え方について考えてみましょう。
フコク生命は、「ライフコンパス」をお届けしています。
「ライフコンパス」とは、将来のリスクに対する備えについて、公的保障を含めた収支シミュレーションをもとに、わかりやすくお伝えするサービスです。
詳しくは、フコク生命お客さまセンターまでお問合わせください。
ご相談はこちら>