ESG投融資について

ESG投融資に対する基本的な考え方

当社は、創業以来、相互会社形態を堅持する日本で唯一の生命保険会社として、「ご契約者の利益擁護」という経営理念のもと、「配当還元のさらなる充実を通じて、お客さまの実質的な保険料負担の軽減を図ること」を使命と考え、これを実践するとともに、「生命保険事業を営む相互会社として、持続可能な社会の実現に貢献する」という経営方針に則り、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題を考慮した投融資に取り組んでいます。ESG投融資は、お客さまからお預かりした大切な資金の中長期的な投資リターンの拡大に資すると同時に、「社会への貢献」を経営理念の一つに掲げる当社の機関投資家としての責務をより一層果たしうるものと考えています。
このような考えのもと、当社は、2016年3月に国連の責任投資原則(PRI)に署名し、投融資の意思決定プロセスにESG課題を組み込んでいるほか、スチュワードシップ活動においてはESG課題をテーマの一つとし、投資先企業との対話などに注力しています。また、2020年6月には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同しました。
今後も、気候変動を含む社会の持続可能性に影響を及ぼす様々な課題に対する問題意識を持ち、一定の収益性を確保することを前提として、ESG投融資やスチュワードシップ活動の取組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

※ESG課題とは

環境(Environment) 二酸化炭素排出などの地球温暖化、水不足・水質汚染、生物多様性、化学物質・廃棄物管理など
社会(Social) 人権問題、従業員の労働管理・安全衛生、製品・サービスの安全管理、地域社会に対する責任など
企業統治(Governance) 企業経営におけるガバナンス体制、コンプライアンス、適切な情報開示など

責任投資原則(PRI)の署名

責任投資原則(PRI)

当社は、国連の責任投資原則(PRI)の趣旨に賛同し、2016年3月21日に署名機関となりました。同原則では、持続可能な社会の実現を後押しするために、ESG課題を投資の意思決定プロセスに組み込むことなどが示されています。

ESG投融資手法および主な取組事例

テーマ型投融資

環境問題を含む社会的課題の解決につながるテーマを持った資産等への投融資に取り組んでおります。

再生可能エネルギープロジェクトへの融資

2024年8月に株式会社クリーンエナジーコネクトによる「オフサイトコーポレートPPA※1」を活用した全国約800ヵ所のNon-FIT低圧太陽光発電所の開発プロジェクトへの融資を実施しました。

太陽光発電

Source: CEC

<対応するSDGs目標>

SDGs7 SDGs13

女性の健康と地位向上を支援する取組み

2024年3月に米州開発銀行が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンドへの投資を実施しました。この債券は、中南米・カリブ海諸国における女性の健康支援と地位向上の実現を目的とするプロジェクト等を後押しするものです。この目的のもと、米州開発銀行が取り組む事例には、ドミニカ共和国における女性のための包括的な社会福祉サービスを提供する「ウーマンシティーセンター」建設プロジェクトなどがあります。

Source: IDB

<対応するSDGs目標>

SDGs5 SDGs10

電力の普及支援への取組み

2023年3月にアフリカ開発銀行が発行する「ライト・アップ・アンド・パワー・アフリカ・ボンド」への投資を実施しました。この債券は、アフリカ大陸における電力の普及支援を目的とするものです。この目的のもと、アフリカ開発銀行が取り組む事例には、ルワンダ共和国における電力へのアクセス改善プロジェクトなどがあります。

Photo credits: AfDB

<対応するSDGs目標>

SDGs1 SDGs2 SDGs7 SDGs9

生物多様性の保全を支援する取組み

2022年9月に世界銀行が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンドへの投資を実施しました。世界銀行が「生物多様性の保全」の重要性を啓発することを目的として初めて発行する債券です。本債券への投資は、自然資本に資金を提供する世界最大級の金融機関である世界銀行による生物多様性を含む幅広い分野の開発プロジェクトを後押しするものです※2

© World Bank

<対応するSDGs目標>

SDGs1 SDGs2 SDGs13 SDGs14 SDGs15
  1. ※1

    オフサイトコーポレートPPAとは、特定の発電事業者が特定の需要家と直接長期契約を結び、再生可能エネルギーを供給する仕組みです。当件はオフサイトコーポレートPPAの一類型であるバーチャルPPAに該当します。その仕組みは、電力需要地と離れた土地で発電した再生可能エネルギーを対象とした環境価値を、需要家と取引するものです。

  2. ※2

    世界銀行がサステナブル・ディベロップメント・ボンドの発行により調達した資金は、世界銀行が開発途上国のために取り組むあらゆる分野の開発プロジェクトへの融資を支えています。

リサーチへの組込み

国内株式について、銘柄選定の際、PRI署名機関でESG評価にかかる豊富なノウハウを有する子会社の富国生命投資顧問より提供されるESGスコアに基づくスクリーニングを実施しているほか、スチュワードシップ活動において把握したESG情報も投資判断の要素に含めております。また、一部の債券についてESG情報に基づくスクリーニングを実施しております。

スチュワードシップ活動を通じた取組み

スチュワードシップ活動において、ESG課題を主な投資先企業との対話の主要なテーマの一つとしているほか、ESGやコンプライアンスなどの観点を踏まえた議決権行使を行っております。

環境・社会に配慮した不動産開発

持続可能な社会の実現に向け、環境・社会に配慮した不動産開発を実施しております。具体的な取組みとして、オフィスビルで3棟が「ZEB Ready」、賃貸用マンションで3棟が「ZEH-M Oriented」の環境認証をそれぞれ取得しております(2024年10月時点)。また、ステークホルダーの方に安心・安全を提供する取組みを積極的に行っております。

主な事例

名古屋シミズ富国生命ビル(オフィスビル)

名古屋シミズ富国生命ビル外観

エネルギー消費量の削減、使用電力の再生可能エネルギー化等による優れた環境性能や、非常用発電設備・防災備蓄品の整備、基礎免震構造等での高い安全性能を確保

吉祥寺フコク生命ビル(オフィスビル)

吉祥寺フコク生命ビル

旧耐震基準の老朽化建物を建替え、地域の安全性向上に貢献。環境面では、建物正面の二重ガラス採用による遮熱性能向上、使用電力の再生可能エネルギー化等を実施

パークアクシス千歳船橋(賃貸用マンション)

パークアクシス千歳船橋

手すりやスロープの設置といったバリアフリー化により、入居者の安心・安全へ配慮。またエネルギー消費量の削減、太陽光発電の導入等により環境性能を向上

THE MUTUAL江坂(賃貸用マンション)

THE MUTUAL 江坂

エネルギー消費量の削減、太陽光発電の導入により優れた環境性能を実現した他、蓄電設備の導入により、非常時の電力供給が可能

<対応するSDGs目標>

SDGs7 SDGs11 SDGs12 SDGs13

フコク生命グループとしてのESG投融資の推進

当社は海外現地法人やPRI署名機関である富国生命投資顧問と連携し、フコク生命グループ一体となってESG投融資を推進しております。
<主な事例>
・富国生命投資顧問より提供されるESGスコアの国内株式投資への活用
・富国生命投資顧問が運用するアジア株ESGファンドへの投資
(同社が長年培ってきた国内株のESG評価に関するノウハウを活かし、アジア各地域企業のESG への取組みに着目したファンド)
・富国生命インターナショナル(英国)がアドバイザーを務めるESGファンドへの投資

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