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Project

業界初に挑む
未来のとびら

ニーズの広がりや多様化に対応するべく
既存にない仕組みを具現化した「未来のとびら」

多くの保険商品は、主契約をベースにして各種の特約を加えるという構成が主流だ。しかし、ライフスタイルや価値観の多様化などが進むなかにあっては、保険ニーズも多様化している。いまから10年以上も前にこの点に着目して開発された保険商品が「未来のとびら」だ。最大の特徴は、主契約という概念をなくし、特約の組み合わせだけで保障内容を構成できる自由度の高さで、発売当初は他に類を見ない画期的な商品だった。現在ではフコク生命の主流商品となっている「未来のとびら」を開発するうえでは、どのような障壁があり、それをどのように乗り越えたのか。商品開発グループの一員として携わった関に、当時を振り返ってもらう。

未来のとびら

「万一(死亡)」「身体障がい・介護」「就業不能」といった様々なリスクに対し、公的保障だけではカバーできない部分を補完し、一人ひとりのお客さまに「ちょうどいい安心」をご提供する保険。加入が必須の「主契約」がないため、ライフスタイルにあわせて必要な保障を自由に組み立てられる。

FUMIAKI SEKI

営業企画部 課長
2003年入社/法学部卒
※所属は取材当時のものです

入社後は新宿支社に配属され、契約書類の確認や営業所の会議資料作成などを担当する。2007年に商品開発グループに異動し、保険商品の開発に従事。その後、長崎支社の内務次長や東京支社の内務次長を経て、2022年に営業企画部に異動。保険商品や制度の改良に取り組んでいる。

Phase.1

「お客さま基点」を堅持していくため、
従来型の商品構造にメスを入れる。

関たちが「未来のとびら」の開発に着手することになった背景には、女性の社会進出や、結婚・家庭に対する価値観の変化、ライフスタイルの多様化など、さまざまな社会変容がある。これを受け、保険でカバーするべきリスクも多様化が進み、従来の保険商品で対応していくには限界を迎えつつあった。

「従前の保険商品は、要介護状態や身体障がい状態に陥った場合の保障と死亡保障が分けられていませんでした。つまり、生前に介護保険金が支払われると、死亡時の保険金が減ったりなくなったりしてしまうのです。自身が先立っても遺された家族が安心して暮らせるようにと生命保険に加入するのに、異なる目的の保険金が支払われることで本来の目的である遺族保障が損なわれるのは矛盾していますよね。問題は、個々の保険商品の保障内容ではなく、主契約プラス各種特約という商品構造自体にあるのです。今後も保険に対するニーズが多様化の一途をたどるなか、フコク生命が『お客さま基点』を維持してくためには、商品構造自体を抜本的に見直す必要がある——ここがスタート地点でした」

商品構造そのものを見直すとなれば、大半の局面で前例の応用という手法を使えなくなる。そこで関たちは、初期段階からシステム部門や事務部門にも協議に参加してもらい、実現可能な道筋を探っていった。

Phase.2

医療や介護へのニーズの高まりを視野に、
設計自由度の高い「総合保険」を考案。

1年以上、協議・検討を続けた関たちがたどりついた答えは、従前の「主契約ありきの特約」から特約部分だけを切り離し、数ある特約のなかから希望やニーズに応じて自由に選んで組み合わせられる「総合保険」というスタイルだ。

「当時は、第三分野と呼ばれる医療や介護などの保障に対する関心が高まりを見せていましたが、フコク生命に限らずどこの保険商品も、第三分野に関する保障は生命保険の特約に位置付けられていて、必ずしも世間のニーズには応えられていない状態でした。そこで、第三分野に関する保障を分離・独立させ、自由な組み合わせを可能にすることで、新たなニーズに対応しようと考えました。また、各特約の内容は、組み合わせを問わず設定された保障を受けられるという明解な形にまとめました。これは、お客さまにとって分かりやすく安心できる内容を目指したというだけでなく、販売後の事務処理の増大や複雑化、ひいては未払いなどを防ぐという狙いもありました」

文字どおり既成概念の枠を超えた構想なので、商品化の道のりは過酷を極めた。例えば、何か一つ変更するだけで、事務内容やシステムなど複数の見直しが発生するし、それが商品内容に関することなら他のメンバーによる確認・検討も要する。複数の特約を同時並行で扱ううえ、毎日のように各担当から疑問や要望が寄せられてくるため、全体の調整役や進行管理役を担った関は常に東奔西走していたという。関係者の尽力が実を結び、社内的に内容・体制をまとめあげられたのは、開発着手から2年後のことだった。

Phase.3

金融庁への丁寧な説明を幾度も繰り返し、
時に専門家の助力も得ながら認可を受ける。

新たな保険商品を世に送り出すには、監督官庁である金融庁から認可を受ける必要がある。事前に予測されたことだが、前代未聞の商品なので、折衝・説得にも多大な時間と労力を要したという。最初の関門は、特約の組み合わせという基本コンセプトについて理解を得ることだ。金融庁からは、保険業法との整合性に関する指摘や疑問が頻出した。社内では、制度の一つひとつについて確認・判断しながら整備を進めてきている。関は、都度、補足資料を示しながら丁寧な説明で対応した。

「膨大な時間と労力をかけてきた多数の関係者に、『ダメでした』などとは言えません。引き下がるわけにいかなかったのです。独力でどうしても納得を得られない局面では、法律の専門家である大学教授や弁護士に意見書を作成いただき、説得材料にしました」

関の努力によって、商品のコンセプトに理解を得るというハードルを超えると、次は商品の詳細についての確認に移行。これにも丁寧な説明を続けついに認可を受けた。

Phase.4

主力商品として成長を果たした姿を見て、
仕組みを整えることの重要性を再認識。

こうして「未来のとびら」は、構想開始から実に3年余りという年月を経て、2013年4月に発売された。当初から反響は上々で、数年後にはフコク生命の主力商品へと急成長を遂げる。そして、発売の9年後、関は6年間の支社勤務を経て、再び商品開発に携わることになった。現在は、既存の保険商品や制度の改良に従事している。そんな関に、改めてこの商品を開発した意義について聞いた。

「開発当時から、特約だけを組み合わせて保障内容を自由にカスタマイズできるという仕組みさえ整えてしまえば、その後はどんどん発展させられるはずだと思っていました。既存の特約のリニューアルにはさほど手間がかかりませんし、新たな特約を開発する際も、主契約との兼ね合いを考えずに済むぶん、スピード感をもって臨めますから。実際、現在の保障内容はかなり細分化が進みつつ、保障範囲についても広げられていると思います。先述のとおり、金融庁との折衝は相当難航しましたが、苦労した甲斐があったなと感慨深く思っているところです。不思議な縁で再び関わることになったので、より優れた商品へと昇華させていきたいですね」

プロジェクトを通じて、
ブレずに貫いたこと

何についても、自分の考えを用意しておくことですね。「考え」といっても単なる感想のことではなく「幅広い視野を持ったうえで立てる自分なりの仮説」を意味します。商品開発に“絶対の正解”はありませんから、議論に議論を重ねてブラッシュアップしていく必要があります。自分なりの仮説を用意して臨むと、議論の際に、他者の意見の優れた部分も見えるようになってくるものです。お互いの意見の優れたところを組み合わせることで、より商品のレベルを高めていけたらと思っています。