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Project

社会性と収益性
ESG投資

社内外に学びの機会を得ることで
フコク生命らしいESG投融資のあり方を追求

ESG投融資とは財務評価に加え、企業のCSR活動について、環境・社会・企業統治という軸で評価して投融資を行う手法のこと。E(Environment/環境)、S(Social/社会)、G(Governance/企業統治)に注力している企業を重視・選別して行う。近年、この考え方を重視する投資家が世界的に増えている。フコク生命では、保険のご加入者から預かった保険料や所有不動産などの資産を運用して収益を上げ、お客さまや社会に還元していくという使命を背負っている。そんなフコク生命にとって、ESG投融資へ取り組むことは非常に重要である。フコク生命らしいESG投融資とは何か——。このテーマを追求し続けている財務企画部の五味に、これまでの取組みについて語ってもらう。

MUGIHIRO GOMI

財務企画部 財務企画グループ 調査役
2011年入社/経済学部卒
※所属は取材当時のものです

入社後は財務企画部金融市場調査グループに配属。その後、浜松支社、人材開発本部経営塾で主任を務め、2018年に宇都宮支社さくら営業所の所長に着任。2020年4月から財務企画部に異動し、資産運用計画の策定や運用による収益管理、決算報告・IR関連業務などに従事している。

Phase.1

資産運用部門への異動を機に、
ESG投融資について考え始める。

SDGsに代表されるように、各国の政府や企業は、環境問題や気候変動に対する取組みに注力するようになった。この動きは、投資の世界にも波及している。ひと昔前の投資における判断材料や評価対象は、企業の業績などの財務状況が中心だった。しかし近年では、長期的な企業の安定性や収益力を判断するには、財務情報といった定量的な情報だけでは不十分と考えられるようになってきている。そうした背景のなかで生まれたのが、環境問題や社会問題に対する取組み、社会への貢献、不正や違反を排除する企業の自律性など、財務諸表に表れない部分に注目するESG投融資だ。 2020年に財務企画部に異動した五味は、このESG投融資に興味を抱いた。

「私は、お客さまや社会への貢献につながるような職務を求めてフコク生命に入社しました。財務企画部に異動してからは、業務を通じてフコク生命のポートフォリオの収益力を向上させ、配当を通じてお客さまの保険料負担軽減につなげたいという想いで職務にあたっていました。そのようななか、投資行動そのものが社会貢献につながるという点で、ESG投資にも興味を持ちました。フコク生命として、どのようなESG投資が可能なのかを考えてみたいと思っていた折に社内でMBA取得のためにビジネススクールに通わせてもらえる機会に恵まれたので、ESG投融資を中心に学ぼうと考え、入学しました」

Phase.2

ビジネススクールに通うなかで、
フコク生命の投資の理解を深める。

五味は2021年4月から実務と並行してビジネススクールに通い始める。入社時の配属は財務企画部だったとはいえ、その後しばらくは支社や営業所でキャリアを重ねてきた五味には、そもそもファイナンスの知識が足りていないと痛感していた。そのため、改めて基礎を学べたことが大きかったという。

「私自身の担当業務は計画策定や進捗・収益管理などで、実際に運用業務にあたっている部署は他にあります。ファイナンスの基礎を学んだことで、フコク生命が資産を運用するにあたり、どのような考えに基づき、どのような手法で投資しているのかを、自分なりにより深く理解でき、日々の業務へ活用できるようになりました。また、フコク生命では様々なESG投融資を行っており、その投融資事例を理解するうえでも、ビジネススクールでの学びが役に立っていると思います」

なお、ESG投融資を考える際には、各企業がどのような考え方で、どのように取り組んでいるのかを知ることも重要である。その点、ビジネススクールで一緒に学ぶ受講生の顔ぶれが多彩だったことも大いに参考になったという。

「受講生は社会人学生なので、電機メーカーや総合商社、通信キャリアなど、様々な企業から集まっています。例えば、講義のなかでは『自分が会社経営者だったらESGについてどう取り組むか』というディスカッションの場がありました。各自が任意に会社を選んだうえで考えて発表し合いましたが、考え方やアプローチの違いに触れられたので、とても刺激を受けました」

Phase.3

ワーキンググループや先輩職員から
ESG投融資の具体的手法を習得。

フコク生命の資産運用部門には、部署横断のワーキンググループ(WG)があり、「人材育成WG」「グローバル化推進WG」などそれぞれのテーマに応じてディスカッションを行っている。ビジネススクールに通うようになって少し経ったころ、若手職員のWG参加が奨励されたため、五味は「責任投資WG」に参加した。責任投資WGには、10人強のメンバーが部署横断的に集まり、ESG投融資について各々が担当テーマ決めて調査・発表している。この場でも、五味は知見を広げている。

「株式や債券への投資、融資や不動産など、私とは異なる職務に従事しているメンバーの発表では、所属部署では得られないであろう情報に触れられるため、とても勉強になります。また、WGには、財務企画部でESG投融資に関する業務を担当している先輩職員がいます。最近は、この先輩から声をかけられ、投資先のCO₂排出量を確認するための測定法の検討や、排出量に関するデータを提供してくれる調査会社の選定などにも携わっています。投資先のCO₂排出量の把握は機関投資家にとっては不可欠なので、これも貴重な経験になっています」

Phase.4

ESG投融資への取組みを伝えられれば、
生命保険契約者さまの満足度向上にもつながる。

ESG投融資が盛んになる一方、環境配慮を装う「グリーンウォッシュ」なども出現し、投資家にはより的確な判断力が求められるようになってきている。また、フコク生命では、資産運用による収益を見込んで保険料を設定しているため、真にESG投融資といえる案件を選定するだけでは不十分で、目標収益を達成できる投融資先を見極める必要がある。このため、五味が参加している責任投資WGでは、ESGについての調査・発表だけではなく、フコク生命らしいESG投融資とは何か議論をし、ESG投融資を行う際の選定に役立つような基準の設定にも着手している。そして、五味自身はさらに先を見据えている。

「私たちがフコク生命らしいESG投融資のあり方を定義し、資産運用部門でしっかり実践できるようになれば、営業現場のサポートにもなりうると考えています。先述のとおりフコク生命はすでに様々なESG投融資を行っていますが、現状、営業現場でその話題が出ることは多くありません。しかし、保険事業との親和性が高い投資案件なども行っています。例えば、2020年にはがん治療を研究する企業を支援するファンドへ投資をしています。フコク生命はがんに対する保障を提供するのみならず、「がんの子どもを守る会」への寄付やピンクリボン運動など、がん治療に対する社会貢献活動に力を入れてきましたので、こうしたファンドへの投資も、フコク生命らしい投資と言えると思っています。お客さまアドバイザー(営業職員)が『お客さまからお預かりした保険料は、ご自身の保障のみならず、資産運用を通じて社会貢献にも役立っています』と説明ができれば、ご加入者さまの満足度向上につながると思うのです。現場でそんなやりとりが増えるように、情報を発信していきたいですね」

プロジェクトを通じて、
ブレずに貫いたこと

「ものごとの本質を見失わずに追求すること」です。入社後、幾度も「お客さま基点」に関する研修を受け、業務を行うなかで常に「お客さま基点」に立ち返りながら物事の判断をしてきました。支社での事務、営業所長職、運用部門における様々な経験を経て、常に自分なりの「お客さま基点」がアップデートされているように思います。このような習慣があるので、常に本質を軸に各業務を進めるようにしています。ESG投融資の本質は「ESG投融資を行うこと」ではなく、「収益性を保ちつつ、投資先とともによりよい社会を、お客さまと共に築いていくこと」だと考えており、そうした社会を築いていくことは、ひいてはそこに暮らすお客さまや私たちへの貢献と言えると思います。ESG投融資は決まった判断基準がないだけに、そもそも何のために行うのか、常に本質に立ち返って考えてみることを心がけています。