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Project

ニーズに向き合う
ワイド・プロテクト

ニーズや時代に合った保険を追求し続けて
画期的な医療保険「ワイド・プロテクト」を開発

医療技術の進歩により、入院期間は短期化し、通院で治療するケースが増加している。このような場合、入院費用に加え、入院前後の通院費用等もかかることから、短期の入院でも一度にまとまった金額を給付する一時金方式の方が重宝する。一方で長期入院を要する場合は、一時金だけではカバーしきれなくなる恐れがあるため、入院日数が1日増えるごとに一定額給付金が増える日額方式の伝統的な保険が適している。この点に着目したフコク生命では、お客さまがどんな状況にあっても対応できる医療保険「ワイド・プロテクト」を開発した。一時金方式と日額方式を組み合わせたハイブリッド型は、従来にない新たなタイプの商品だ。さらに、子宮筋腫や子宮内膜症など、女性特有の疾病の投薬治療を対象にした「女性疾病重症化予防特約」も国内生命保険会社初。画期的な商品の開発に従事した営業企画部・中下に、発売までの歩みを語ってもらう。

ワイド・プロテクト

一時金方式と日額方式の2種類の入院給付を組み合わせたハイブリッド型の医療保険。所定の投薬治療を保障する特約や、がん・重度の生活習慣病を重点的に保障する特約などとあわせて、治療の初期段階から重大疾病の療養まで切れ目のない医療保障を提供する。

TOMOKO NAKASHITA

営業企画部 商品開発グループ 副長
2004年入社/経済学部卒
※所属は取材当時のものです

入社後は町田支社に配属され、契約書類を確認する新契約業務等を通じて保険の基礎を学ぶ。融資部個人融資グループ、秘書室、株式グループ、その後1年間の海外研修を経て2019年に商品開発グループに異動。現在は商品案の検討・策定、約款や事業方法書の作成などに取り組んでいる。

Phase.1

先駆的な商品開発を続けるフコク生命。
今回は日本人の平均寿命と健康寿命の差に着目。

医療保険や介護保険など第三分野と呼ばれる保険商品は、年々ニーズが高まり、多様化が進んでいる。フコク生命における歴史を紐解くと、1980年代に、他社に先駆けて「医療保険」を発売。1992年には国内初となる「高度先進医療特約」を、2002年には同じく国内初となる「移植医療特約」を発売。今や、医療保険分野における先駆的な商品開発はフコク生命のアイデンティティになっている。
近年では、生命保険各社が医療保険に注力し、医療保険の新商品や新特約が続々と発売されている。競争が激化するなかで、フコク生命は2016年に「医療大臣プレミアエイト」を発売したが、より一層の差別化を図るためにも、医療保険のリニューアルは急務と位置付けられた。このようななかで2019年度がスタートすると、中下らは新たな商品を開発すべく、プロジェクトチームを発足した。
開発にあたって中下たちが着目したのは、平均寿命と健康寿命の差だ。日本人の平均寿命と健康寿命は年々伸びているが、双方の差は男性9年前後、女性12年前後とかなり長い。そのうえ、長期にわたって差はほとんど変わらずに推移し続けている。平均寿命と健康寿命の差は「不健康な期間」を意味するため、これが縮まらなければ、社会保障制度の圧迫や現役世代の介護負担といった社会問題は軽減されないわけだ。

「早期治療をサポートし、重症化予防につながるような保険商品を開発すれば、平均寿命と健康寿命の差を縮めることに貢献できるのではと考えました。ただし、生活習慣病等の重症化予防商品はすでに他社から発売されていました。重症化予防をベースに、フコク生命としてどのような独自性を加味するかが、次なる課題でした」

Phase.2

お客さまのニーズに対応できる柔軟性。
その追求こそがフコク生命の独自性に。

中下たちは、対象となる疾病や保障期間、保障額などについて議論を進め、2020年冬にはほぼ内容が固まった。他社との差別化も意識したつもりだったが、細かな点ばかりで商品全体としてのインパクトには欠けていた。メンバー間で改めて議論するなか、浮上したのが保険金の給付方式だ。冬までのプロセスで最も紛糾したテーマで、一時金方式にするべきというメンバーと伝統的な日額方式にするべきというメンバーでチームが二分され、なかなか結論が出なかったのだという。入院が短期で通院が多い場合は一時金方式のほうが重宝するはずだし、入院が長期におよぶなら日額方式のほうが保障内容を充実させられる。どちらも一長一短で、決め手に欠いたのだ。

「議論が白熱するなかで、メンバーの一人が『両方の良い部分を組み合わせられないかな』と言ったのです。今までになかった新しい発想でした。確かに、両方の良い部分を組み合わせたハイブリッド型なら、お客さまの状況やニーズに柔軟に対応できますから、商品としてより魅力を高められます。また、他に類似商品はありませんでしたから、議論の発端だった差別化という意味でも大きなインパクトを見込めます。一方で、ここから変更するとなると、システム部門や事務部門も巻き込んでの大がかりなやり直し・見直しが発生します。関係部署に対して丁寧に、かつ粘り強く説明を重ねることで協力を取り付け、なんとか2021年4月に内容を固めました」

Phase.3

女性特有の悩みもフォローするべき。
この想いで、従来にない特約にたどり着く。

ベースとなる商品内容が固まった後は、特約の議論に移る。このなかで決まったのが、高血圧症や高血糖症など、生活習慣病の投薬治療を保障する「生活習慣病重症化予防特約」だ。生活習慣病の場合、健康診断などで指摘があっても、自覚症状がないので放置されがちだ。チームでは、投薬治療費を保障すれば、早期の受診・治療のきっかけを提供できると考えた。「これはこれでいい。でも……」中下は不十分さを感じた。

「この商品に限らず、フコク生命で扱う保険の大半は、20代から30代のお客さまの新規ご加入をメインに想定しています。生活習慣病のフォローを打ち出しても、特に若い女性には響かないのではと思ったのです」

女性向けの重症化予防商品は、他社にも事例がなかった。そこで、より多くの情報を集めるために社内で知己のある女性職員や友人にヒアリングしてみると、実は月経関連の悩みを抱えている人が多いのではないかと感じた。掘り下げてみるべきだと考えた中下は、リサーチ会社を通じてアンケート調査を実施した。すると、悩みを抱えているにもかかわらず月経時に吐き気やめまいがある、月経痛が普段よりも重いなどの自覚症状があっても、半数以上の女性が婦人科に行っていないことが発覚する。これを受け、中下はさらに婦人科医にヒアリングした。

「すると、月経困難症に悩んでいる人は、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症に罹患していることが多いと教わりました。つまり、不調を感じたらすぐに婦人科を受診すべきなのに、痛みを我慢してしまったり、恥ずかしい、忙しいなどの理由で受診を見送っている人が多いという実態が明らかになったのです。これで確信を抱き、『女性疾病重症化予防特約』の検討を進めていきました」

Phase.4

お客さまアドバイザーとの会話から
お客さまのためになることを実感。

先述のような経緯を経て、「ワイド・プロテクト」が2022年4月1日に発売される。販売は好調だったが、中下にはそれ以上にうれしいできごとがあった。

「子宮内膜症に罹ったことがあるというお客さまアドバイザーと会話したときのことです。話を聞いてみると、『女性疾病重症化予防特約ができたおかげで、お客さまへの提案では、自分の経験談を話すことで、より説得力をもたせられるようになった。身近な病気ということで女性のお客さまが関心を示してくださるので、本当に心強い』と言っていただけたのです。心血を注いで生み出した商品が、お客さまのためになる、お客さまアドバイザーのサポートになっているのだと実感できて、本当に良かったと思えた瞬間でした」

プロジェクトを通じて、
ブレずに貫いたこと

ワイド・プロテクトの場合、開発に約2年もの期間がかかりました。フコク生命の歴史のなかでも「未来のとびら」開発以来の大規模案件だと思います。そういう意味では商品案の策定や関係部署との調整等において「粘り強さ」を意識していましたね。そして、この粘り強さを支えるのが、「お客さまやお客さまアドバイザーあってのフコク生命」という軸です。入社して最初に配属された支社での勤務経験から、日々の業務を通じて会社がお客さまや、お客さまアドバイザーに支えられていることを実感していました。「ニーズや時代にフィットした商品を生み出すことで、お客さまやお客さまアドバイザーの役に立ちたい」という想いがあったから、最良を追求し続けられたのだと思います。